かつては少し気恥ずかしい光景だったはずが、いまや当たり前になりつつある。大学の入学式に親が同伴する姿をめぐり、新大学生と保護者の意識に大きな変化が見えてきた。

創英ゼミナール(株式会社創英コーポレーション)が2026年3月に実施したアンケート(生徒339名、保護者87名)では、高校生の約8割が「親が来てもよい」と回答し、9割が「親子参加は一般的」と認識している。

 意外なのは、当事者である学生側の受け止め方だ。「嬉しい」49.6%、「どちらかというと嬉しい」38.1%と、実に87.7%がポジティブに回答。「恥ずかしい」は計12.4%にとどまり、多くは親の同席を自然に受け入れている。自由回答でも「人生の節目だから見せたい」「来たいなら来ればいい」といった声が並び、距離を保ちながらも肯定する空気がうかがえる。

 一方、保護者側の意識も変わっている。「参加したい」「参加してもよい」は合計86.2%にのぼり、83.9%が親子参加を一般的と捉えていた。「一生に一度の節目を見届けたい」「最後の学校行事のように感じる」といった声からは、単なる付き添いではなく、区切りを共有したいという思いがにじむ。

 背景には、コロナ禍で行事参加が制限された経験や、家族との関係性の変化もありそうだ。大学入学式はもはや本人だけの通過点ではなく、家族にとっても節目を実感する場へと位置づけが移りつつある。過保護かどうかという議論よりも、どう関わるか。親子の距離感は、静かに更新されている。

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