子どもにとって暮らしやすい都市とは何か。その問いに対し、大人が決めるだけでなく、当事者の声をどう反映させるかが問われている。

東京都が実施する「こども都庁モニター」は、未就学児の保護者から高校生まで計1,203人を対象に、都政に関する意見を継続的に収集する試みだ。今回公表された令和7年度第4回~第6回の結果からは、子ども目線の政策づくりの現在地が見えてくる。

 関心領域は多岐にわたる。都市づくりやアプリへの要望といった生活に直結するテーマに加え、「2050東京戦略」では自らが都知事なら実現したい街の姿を選択。さらに、世界陸上やデフリンピックに触れた子どもからは「観戦をきっかけに興味が湧いた」「手話を学びたい」といった声も寄せられ、体験が意識変化を促す様子もうかがえる。

 一方で、情報発信や制度の受け止め方には課題も残る。こども向け予算動画には「分かりやすい」との評価がある一方、「もっとSNSで広めてほしい」といった指摘もあり、届け方の工夫が求められている。また、相談支援サービスでは「相談したいことがない」が50%、「相談に抵抗がある」が38.5%と、ニーズの掘り起こしと心理的ハードルの低減が課題として浮かぶ。

 教育分野では、税を学ぶゲームに対し「自然と知りたくなる」「RPG要素が面白い」といった肯定的な声が目立った一方、操作性への改善要望も挙がった。子どもたちは単なる受け手ではなく、具体的な改善点まで指摘する存在になっている。

 SNSに子どもの写真を投稿する「シェアレンティング」の認知など、新たなリスクへの理解にもばらつきが見られる。安全と利便のバランスをどう伝えるかも重要な論点だろう。

 子どもの声を聞く取り組みは広がりつつあるが、それをどう政策に反映し、実感につなげるかはこれからだ。数字の背後にある意見をどうすくい上げるか。参加型の都政は、まだ途上にある。

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