「運動不足」という言葉はありふれているが、その実態はどこまで深刻なのか。笹川スポーツ財団と明治安田厚生事業団が活動量計を用いて全国規模で測定した最新調査では、その曖昧さに具体的な数字を与えた。

2025年11月に実施された調査によると、厚労省が示す推奨身体活動量を満たしている人は46.6%。半数に届かない現実が浮かび上がった。

 対象は全国47都道府県200地点から抽出された20~79歳の男女で、解析対象は1353人。成人では達成率44.7%と半数を下回り、高齢者は53.3%とやや上回ったものの、全体としては大きな改善は見られない。前年(47.9%)と比べてもほぼ横ばいで、「動けていない状態」が定着している可能性もある。

 日常の行動を細かく見ると、その背景が見えてくる。1日の平均歩数は成人7017歩、高齢者5428歩で、いずれも目安(約8000歩・約6000歩)に届かない。さらに、座っている時間は1日平均8.8時間。仕事や生活の多くを“座位”が占める現代の生活様式が、活動量を押し下げている。

 今回の特徴は、自己申告ではなく活動量計による客観測定にある。歩行や家事といった低強度の動きから、運動・スポーツまでを1分単位で記録し、「どれだけ動いたか」と同時に「どれだけ座っていたか」も可視化した。見えにくかった日常の積み重ねが、数字として突きつけられた形だ。

 健康づくりの指標は示されているものの、それを日常に落とし込めている人は半数に満たない。運動の習慣化だけでなく、座る時間をどう減らすか。問われているのは「どれだけ運動するか」以上に、「どう生活するか」なのかもしれない。

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