◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 東日本大震災は3月11日に発生から15年を迎えた。警察庁によると3月1日時点の死者は1万5901人、行方不明者は2519人。

いまだ身元が分からない遺体は岩手、宮城両県で53体あるという。

 宮城県警の身元不明・行方不明者捜査班担当者に聞くと、身元不明となるのは「家族から行方不明届が出ていない」「遺体の損傷が激しくて身元特定の確認が困難」などが理由。現在は「戸籍を調べて鑑定可能な親族を掘り起こす」「届け出されていない行方不明者を探し出す」「DNA鑑定のやり直し」など、地道な作業を丹念に続けている。

 昨年10月、岩手県山田町の山根捺星ちゃん(当時6)の身元が骨の一部から判明し、14年ぶりに遺族の元に返された。同担当者は「社会的な反響がものすごくあった」と強調する。県警は被災地各地で数か月に1度、「行方不明者を捜す相談所」を開設している。捺星ちゃんのニュースが流れる直前の相談者は0だったが、判明以降は3~4組が訪れたという。「こういう聞き取りが捜索のヒントになることが多い。相談者が急増したのは本当にありがたいことなんです」。この相談会は13年以降行われており、実際に2人の身元特定につながった。

 2024年9月、能登半島地震後の水害で女子中学生が行方不明となり、後に洋上で遺体が見つかった。発見後に父親に話を聞くと「見つかってほっとした。

帰ってくるなんて、本当に親孝行だなと思いますよ」と言葉を紡いだ。遺体を待つ家族にとって「元の場所」に帰ることは非常に重要。関係者の努力は続く。(社会担当・樋口 智城)

 ◆樋口 智城(ひぐち・ともき) 2001年入社。北海道勤務などを経て政治・事件など担当。

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