歌手の大月みやこ(79)がこのほど、スポーツ報知の取材に応じ、発売中の最新曲「夢花火」への熱い思いを語った。

 「今まであまりなかった」という温かくて明るい曲調。

それと同様に、80歳を目前にした大月は前向きだ。「今日まで歌い続けてこられて、今が一番幸せ。我が人生に悔いなし、という歌はまだまだ歌う時期にきていない。聴いてくれる人が『自分もまだまだ元気だな』と思ってくれるような応援歌です」と力を込めた。

 長年連れ添った男性への心を表す「あなたが居たから 私は生きられた」という歌詞を、自身のファンにも重ね合わせた。「今の時期に聴いてもらうには、これがベストと思ってレコーディングした」と自信を持って届ける。

 1964年のデビューから10数年はヒットに恵まれなかった。よく「下積み」「苦節」と表現されるが、三橋美智也と春日八郎の前座で拍手をもらう日々に「歌える場所と聴いてもらえる場所があって、ずっと幸せでした。挫折をしているような時期でもなかった。辞めようと思ったことも一度もありません」と振り返った。

 その頃は「歌っている自分が一番いい気持ちになることしか考えていなかった。でも、それではいけなかった」という。

ある日、レコード会社の関係者に「もう少し、お客さんの気持ちになって届けようか」と指摘され、ショックを受けた。それ以来、与えられた曲を表現するという役割に徹することにした。

 その結果、デビュー20年目の37歳で「女の港」がヒットした。NHK紅白歌合戦の10年連続出場に加え、「白い海峡」では日本レコード大賞も手にしたが「全くそれが目的ではなかった。私の歌には、経験してきた栄養が詰まっている。歌を表現することは芸術だと思っている」と誇りを持つ。

 40代で子宮筋腫になったことを除けば、ずっと健康で「すごくラッキー。あまり落ち込まないし考えすぎないから、ストレスもためない。悪いことがあっても、きっと良くなると解釈する」。長く趣味として続けているゴルフも「人のボールを打ち返さない。悪いのも良いのも原因は全部自分にあるスポーツ」なのが性に合っているという。

 80歳の誕生日を迎える4月23日には、地元・大阪の新歌舞伎座でバースデーコンサートを行う。

文武両道で知られる府立八尾高を卒業後に上京して久しいが、同窓会には今でも参加しており「ふるさとであるという思いは、他とはひと味違う」と意気込む。

 「私、目的を作らないんです。今日を一生懸命やったら、あしたがある。一日一日積み重ねて、ちょっとだけ高い階段を少し上れたらいい」。デビュー63年目、「階段は63段。今が一番高いところにいる」とブレずに歌の道を極める。(堀北 禎仁)

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