贈り物は、相手を思う行為であると同時に、自分の価値観を差し出す行為でもある。その二つが重なったときは喜びに変わるが、わずかにずれたとき、気まずさが残る。

そんな繊細な関係性が、数字として可視化された。

 株式会社MEMOCOがアクセサリーブランドを展開する株式会社ライオンハートと共同で行った調査(2026年2月12日~19日、全国の男女102人)によると、直近1年でもらったプレゼントについて「嬉しかった」「どちらかというと嬉しかった」は計約9割に達した。一方で約9%は満足に至らず、贈り物が常に成功するわけではない現実も浮かび上がる。

 満足の理由で最も多かったのは「実用的で日常的に使える」(約44%)で、「自分の好みを理解してくれていた」(約29%)が続く。「自分では買わないが嬉しいもの」(約15%)も一定数あり、日常の延長線にある少しだけ上質な実用品が評価されやすい。一方で「高級感」や「サプライズ性」は少数派にとどまり、派手さよりも生活との接続が重視されている。

 逆に不満の理由は、「趣味・好みに合っていなかった」(約39%)、「使い道がなかった・使いづらかった」(約35%)が中心だ。さらに「すでに持っていた」や「サイズ・色が合わない」といった具体的なミスマッチも目立つ。贈り手の善意やこだわりが、受け手の生活実態と衝突する構図が見て取れる。

 「もらうと困るもの」でも傾向は一致する。「好みに合わないもの」約44%、「使い道が分からないもの」約34%と、ここでも実用性と嗜好(しこう)の一致が鍵となる。また、消費期限の短い食品や気持ちが重い贈り物も一定数挙がり、受け取りやすさという視点の重要性も浮かぶ。

 贈る側の意識もシンプルだ。「プレゼント選びで最も重視するポイント」は「相手の好みに合っていること」が約60%で突出し、「実用性」約27%が続く。トレンドや価格よりも、どれだけ相手を理解しているかが中心に据えられている。

 こうした結果を束ねるキーワードが、「自分では買わない名品」だ。日常品のワンランク上や、ちょっとした悩みを解消するアイテム、あるいは高品質な消えもの。いずれも共通するのは、生活をわずかに更新する感覚である。

 贈り物はモノ以上に、観察の精度を問う行為になりつつある。気の利いた演出よりも、何気ない日常への理解。その積み重ねが、9割の満足と1割の違和感を分ける境界線になっている。

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