春の引っ越しシーズン。新生活の裏で、見過ごされがちな「腰のダメージ」が浮き彫りになった。

医療法人蒼優会が運営する野中腰痛クリニックによるインターネット調査(2026年3月5日~7日、20~60代の男女1006人)では、引っ越し・模様替え作業中に腰への負担を感じた動作の1位が「床から重い荷物を持ち上げた」で61.9%に達した。次いで「中腰での梱包・開梱」(44.1%)、「前かがみでの掃除」(41.4%)と続き、姿勢と重量の双方が腰に大きな負荷を与えている実態が示された。

 実際、作業中に痛みや違和感を覚えた人のうち、「無理をすれば動ける程度」と回答した人は45.5%。軽度と認識されがちな状態でも、作業への影響は小さくない。腰の不調によって「大幅に遅れた」「多少遅れた」と答えた人は合わせて57.6%にのぼり、引っ越し作業の効率低下を招く要因となっている。

 一方で、腰痛予防として「負担の少ない姿勢を意識」(37.0%)や「こまめな休憩」(34.6%)などを実践した人の7割以上が効果を実感しているものの、「自分は腰痛にならないと思った」(25.2%)、「予防方法を知らなかった」(23.8%)といった理由から対策を講じない層も一定数存在する。

 注目されるのは、痛みが出た後の対応だ。最も多かったのは「湿布や塗り薬で対処」(38.2%)で、「医師の診察を受けた」は約1割にとどまった。受診しない理由としては「自然に治ると思った」(46.7%)が最多で、「いつもの腰痛だから」といった慣れや諦めも背景にある。

 さらに、医療機関に求める条件としては「日帰りで治療できる」(36.6%)、「通院回数が少ない」(36.3%)、「短時間で終わる」(32.7%)が上位に並び、時間的負担の少なさが重視されていることも浮かび上がった。

 同クリニックは、軽度の痛みでも放置すれば慢性化や悪化のリスクがあると指摘する。忙しさを理由に受診を後回しにする傾向が強い中、生活スタイルに合った短時間・低負担の治療ニーズが、今後さらに高まりそうだ。

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