歌舞伎俳優の市川團十郎が1日、都内でアンバサダーを務めるセイコーグループ株式会社の入社式に出席。144人の新入社員に門出のメッセージを届けた。

 同社は創業145周年。伝統と革新を重んじる理念は歌舞伎に通じる。團十郎は伝統について「伝統になること自体が尊いこと。その時点で尊敬の念がわく。なぜそうなったか、研究していく気持ちが腑に落ちるところがある。それを責任を持って守っていく」と思いを語った。

 市川宗家として歌舞伎十八番をはじめ、芸を継承する立場を踏まえて古典歌舞伎に対する考えを明かした。「古典をやる上で、言葉が分かりづらいですよね。それを現代の方々に分かっていただけるように提示して、それが楽しいとなったら、じゃあ古典を見てみよう、日本人のDNAに流れている精神、判官びいきとか、本音と建前とか、そういうことがどういうものなのか興味を持っていただけるはず。古典の中から学んで、さらに視界が広がる」と意義を強調した。

 3月29日放送のTBS系ドラマ「リブート」最終話でも注目された團十郎が登場すると、会場内から、どよめきが起きた。初々しいスーツ姿の新入社員と交流し、「光栄でした。

5歳の頃のドキドキしたこと、不安だったこと、新鮮な気持ちを思い出しました。また気持ちを新たに舞台に臨めます」と声を弾ませた。

 新入社員から、失敗した時の気持ちの切り替えについて質問されると「しっかり落ち込んで、しっかり反省して糧にする。または、気にせず、打席に立ち続ける度胸、その両方が大事です」と回答。その上で「新入社員はうまくいかなくて当たり前。問題にならない。気にしなくていい」と激励した。

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