五代目円楽一門会が1日、東京・台東区の池之端しのぶ亭で新体制に関する記者会見を行い、新会長兼理事長に7代目三遊亭円楽、新副会長兼副理事長に三遊亭萬橘が就任したことを発表した。事務局長は三遊亭楽磨呂が続投する。

 新体制の役員人事は会見まで一切伏せられていた。円楽新会長、萬橘新副会長が姿を現すと、集結した報道陣から「お~」と歓声が起こった。円楽は「私が会長になって、実力としては兼好兄貴と萬橘がツートップでやってくれている。二ツ目の子たちもすごくいい。彼らが風通し良く、なれ合いにならないような。五代目円楽一門会のいいところは家族的なので、そこを残しながら戦っていける土壌を作ることが役目だと思っています」と背筋を伸ばした。

 2020年から会長を務めた三遊亭圓橘の鶴の一声で新会長に決定。「他の人にしてくださいという気持ちが大きかったですね~。会長って僕の中では看板がなったほうがいいと思ったので。自分を奮い立たせるために圓橘が言ってくれているから、腹くくるかというつもりでお受けしました」。葛藤を抱えながら、協会の看板を引き受けたという。

 2001年5月、日本テレビ系「笑点」の司会者としても知られた5代目円楽さん(2009年死去)に最後の弟子として入門した。

22年9月に6代目円楽さんが肺がんのため亡くなり、昨年7代目を襲名した。報道陣から「5代目が生きてこの場にいたら、何て声をかけられたと思うか?」と質問されると、「5代目とはおじいちゃんと孫のような関係で、かわいがられていた。にっこり笑って『頑張りなさい』って。6代目が僕を後継者に指名してくれましたが、(生前は)本当に褒められたことがなかった。真打ちになってからもボロカスに言われました。それだけ気にかけてくれていたということ。今、僕が会長になって6代目は『こっからだよ』って言ってくれると思います。精神的な師匠」としみじみ。同一門の顧問で父親の三遊亭好楽に対しては「うちの親は何も言わないと思います」と苦笑い。萬橘は「さっき(好楽と)お会いしましたけど、打ち上げの話をしていました」と暴露し、会場の笑いを誘った。

 この日、午前中には講談協会が一般社団法人として本格始動することを発表したばかり。24年6月には、落語立川流が一般社団法人化した。

一方の5代目円楽一門会は任意団体。萬橘は「一般社団法人化する動きはないです。多様性を担保するために野良の落語家というスタンスがいた方が豊かになるという考え方もある」と現在のスタイルを貫く意向を示した。今後の目標には「落語界に貢献する人材を作ることが使命」と掲げ、「私どもの環境でしか育てられない個性をほかの寄席でも生かせるようにする。僕ら確かに市民球場でやっていますが、打線としてはプロの東京ドームで打てますよ。そういう人材が出てきていますよ。ひいては落語界の豊かさにつながると思う」と力を込めた。

 <三遊亭円楽>(さんゆうてい・えんらく)本名・家入一夫。1977年11月7日、東京都練馬区生まれ。駒大文学部英米文学科を卒業後、2001年5月に5代目三遊亭円楽に入門。04年5月に二ツ目昇進。08年の「NHK新人演芸大賞」で落語部門大賞。

09年10月、真打ち昇進。25年に7代目円楽を襲名。特技は日本舞踊とピアノ。YouTubeチャンネル「三遊亭王楽の落語部屋」も話題を呼んでいる。

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