◆JERAセ・リーグ 中日5―6巨人(1日・バンテリンドーム)

 喜びを全身で表現した。佐々木俊輔外野手(26)は愛嬌(あいきょう)たっぷりの笑みをたたえながら、あっという間にダイヤモンドを一周した。

「最高の結果になりました」。3年目で待望のレギュラーシーズンプロ1号。2点リードの6回1死で低め146キロ直球を豪快に右中間席へたたき込んだ。

 待ちに待ったチャンスで満点回答だ。「6番・右翼」で今季初の先発出場。1点リードの初回1死満塁で外角フォークを左前に落とし、2点適時打。今季初安打初打点をマークした。「いつもお世話になってるので援護できて良かった」と2安打、自己最多の3打点で田中将の日米通算201勝目をアシスト。阿部監督も「いい仕事をしてくれたと思いますし、いいきっかけにしてもらえれば」と目を細めた。

 いつもなら歓喜するビッグニュースが目に入らないほど、無我夢中だった。小学6年時までサッカーとの二刀流で、テストの氏名欄に「中村俊輔」と同じ名のスターを書いて先生に呼び出されたことも。日本代表がイングランド代表に初白星を挙げた話題を振られても「初めて知りました…」。

普段はニュースをくまなくチェックしているが「今日はスタメンで頭がいっぱいでした」と巡ってきたチャンスに全力投球し、結果を残した。

 サッカーで培った50メートル6秒の俊足に新しい武器が加わったのは、日立製作所入社直後。当時は「走り打ちのような感じだった」と足を生かすスタイルだった。しかし、打撃練習で広角へ鋭い打球を飛ばす姿を見た当時主将の大塚直人さんに「打てるんだからそっちを目指さないの?」と秘めた長打力を見抜かれた。下半身を使って振り切る打法にモデルチェンジし、2年間で体重は10キロ増。強打という新たな武器が加わり、プロへの道が開けた。

 手元に戻ってきた記念球は実家に送る予定だ。右翼で中山、中堅は松本がスタメンに定着していたなか、定位置争いに新風を吹き込む猛アピール。アーチ後、坂本に「ホームランは魔物だぞ」と声をかけられ、気を引き締めた背番号44は「使われるところで頑張るしかない。いつでも行ける準備はしています」。不動の居場所をつかむため、がむしゃらに食らいつく。(内田 拓希)

村田真一Point 佐々木はオープン戦からの好調を維持しているよね。

1年目から昨季途中までは当てにいくような打撃が多かったけど、来た球を自分のスイングで、センターを中心に素直に打ち返している。3年目になって1軍の投手にも慣れてきたんやろね。本塁打も確かに甘い球ではあるけど、これをしっかり仕留めて結果を残すことが今の佐々木には大事なことよ。足もあるし守備もうまい。レギュラーにすごく近い位置にいる選手と思っているよ。

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