◆国際親善試合 イングランド0―1日本(31日、英ロンドン)

 イングランドに勝利した森保ジャパンは22年カタールW杯以降、ドイツ(2勝)、スペイン、ブラジルに続き、W杯優勝経験国から5回目の勝利を手にした。“ジャイアント・キリング”(番狂わせ)と言うには多すぎる日本代表の進化を、日本代表担当の金川誉記者が「見た」。

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 奇跡の再現ではなく、必然の完封だった。約8万人の大半を埋めたイングランドサポーターは終盤に席を立ち、終了の瞬間には流れるようにスタンドを去った。痛快な勝利にもかかわらず、穏やかに勝利をかみしめた森保監督は「凡事徹底、細部にこだわった準備が結果につながった。組織的な機能を表現してくれた」と話した。まさに日本の成長を象徴する勝利だった。

 22年カタールW杯以降、優勝経験国から挙げた5度目の白星。特筆すべきは初の完封勝利という点だ。同W杯のドイツ(2〇1)、スペイン(2〇1)戦、25年10月の国際親善試合ブラジル戦(3〇2)はいずれも先制を許し、逆転勝ち。指揮官が「相手に油断があった」と振り返るように、格下と侮った相手の隙を突いたものだった。

 今回は違う。イングランドは終盤、194センチのDFマグワイアらを投入する力技に出た。対する日本は交代策を駆使してこの猛攻を断絶。

プラン通り完封した。18年ロシアW杯ベルギー戦(2●3)を始め、大舞台で逆転負けを喫したひ弱さは感じられない。ボール支配率32%は、W杯ドイツ戦(26%)、スペイン戦(17%)より改善。チャンスの質も上がった。

 後半21分、交代で退くDF伊藤とFW上田は、主審に注意されるほど緩やかな歩みで時計を進める「ふてぶてしさ」を見せた。親善試合でも見せた泥臭くも冷徹な試合運びこそ、日本の成長。普段から欧州列強で技を磨く選手たちは勝つための振る舞いを、当たり前のように身につけている。

 森保監督は90年にマンチェスターUに短期留学時「日本人がサッカーをできるのか」と揶揄(やゆ)された国で、日本の力を示した。この守備の安定と勝負への執着心こそが、W杯でさらなる高みへ到達するための絶対的な鍵となる。聖地で示した「守り勝つ形」は、日本が世界の列強へと比肩するための何よりの証明となった。

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