春は始まりの季節だが、その裏で静かに積み重なる負担もある。環境の変化に追われるなか、自分の食事が後回しになる実態が、株式会社Nwithによる調査で浮かび上がった。

 同社が2026年3月、20~55歳の女性460人を対象に実施したインターネット調査によると、新生活期に食習慣の乱れを経験した人は約75%に上った。具体的には、甘いものを欲する(36.5%)、間食や夜食が増える(28.0%)など、ストレスがそのまま食行動に反映される傾向がみられる。

 こうした変化は体調にも影響する。慢性的な疲労やだるさを感じた人は35.2%、睡眠の質の低下は32.8%で、計約68%が何らかの不調を自覚していた。背景には仕事や生活環境の変化によるストレス(29.6%)がある一方、原因が分からないとする回答も1割を超え、対処の難しさがうかがえる。

 問題は、その後の行動だ。食習慣の乱れに対し、特に何もしていないが33.9%、対処したかったができなかったが16.7%で、半数が改善に踏み出せていない。実際に食事を見直せた人は19.3%にとどまり、意識と行動の間に大きな隔たりがある。続ける自信がない、何をすべきか分からないといった回答が計約57%を占めた点も、課題の根深さを示す。

 新生活は前向きな変化として語られがちだが、その裏側で個人のケアが置き去りになっている現実もある。数字が示すのは、意志の問題ではなく、環境に左右される日常の脆さだ。食事という基本的な営みですら維持が難しい現状に、目を向ける必要がある。

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