派手な女装でパフォーマンスする「ドラァグクイーン」でタレントとしても活躍するドリアン・ロロブリジーダ(41)が、このほどスポーツ報知のインタビューに応じ、初の主演舞台「ドリアン・ドリアン」(有楽町I’M A SHOWで4月18日開幕)をアピールした。

 優雅なたたずまいが知性を感じさせる。

ドリアンは2024年からNetflixで配信されている「ボーイフレンド」シリーズのMCとして知名度が急上昇。日本初の男性同士による恋愛リアリティーショーに「自分にとってはありふれた情景だったとしても、当事者ではない方にとっては“?マーク”がつくところを分かりやすく通訳できたらいいなと思います。ごく当たり前に誰かを思うという情景が当たり前のように繰り広げられているのを、世間にお届けできるのはすごく大きいこと」と実感している。

 3歳で歌や踊りの楽しさに目覚めた。15歳の頃に自らのセクシャリティーを自覚したが「マイナスなことというよりは、秘密結社に入ったメンバーのような気持ち。そんじょそこらの同級生が知らない世界を知ってるんだぞ、という優越感の方が強かった」。

 吹奏楽部の定期演奏会でも「スポットライトを浴びるのが好きだった」とソロ歌唱のステージを設けた。高校3年になり、初めて触れたドラァグクイーンの世界に衝撃を受け「見よう見まねでメイクをするようになった」と振り返った。

 早大在学中の2006年には「若手女装グランプリ」に初出場して優勝。「(イタリアの伝説的女優として知られる)ジーナ・ロロブリジーダという名前が、必殺技みたいでとにかく気に入っちゃった。ドリアンは果物の王様だし、くさいけど癖になるし」と現在の芸名を名乗るようになった。

 単位が足りずに大学を中退後、ベンチャーの香水・化粧品メーカーに就職。

営業と広報を担当した。その後はサボンやリーボックといった世界的ブランドを渡り歩き、35歳まで会社員を続けた。

 ドラァグクイーンの活動に専念し始めた20年3月、コロナ禍に襲われた。「お仕事も増えてきて、好きなことをやろうかなと思ったら全部吹っ飛んじゃった。でも、こんな時だからこそ私たちが頑張らなくちゃと謎の使命感にかき立てられた」。その頃に始めたYouTube配信などの地道な活動が、現在につながっている。

 自らの名前を冠した初の主演舞台はシチュエーション・コメディー。カリスマデザイナー役を演じるのが楽しみで仕方ない。「ファッションの歴史はすごく好き。ファッションデザイナーって本当に癖が強い方が多い」。いつか舞台で芝居をしたい、という20年越しの夢は目の前。「新しいスイッチを入れるというよりは“目盛り”を強めるぐらいでいいのかな。

人騒がせでポジティブで騒々しい、というのは身に覚えがある。キャラクターを肉付けできていったらいいな」とイメージする。

 ドラァグクイーンになって20年。人生哲学の「ピンチはチャンス」は公演のテーマでもある。「いろんな修羅場はある程度乗り越えてきている。修羅場?…言えません(笑)! アンダーグラウンドな存在だったドラァグクイーンが主演で舞台できるということが、何よりも時代の変化の現れ。世も末ですよ」と笑い飛ばした。

 座右の銘は「The Show Must Go On(何があってもショーを続けねばならない)」。分断と対立の時代といわれるなか「中年の男性がおしろいをつけて浮かれてる情景があってもいいと思う」とうなずいた。

 ミッツ・マングローブ(50)とはデビュー当時から親交がある。憧れは美輪明宏(90)で「麗人の名にふさわしい。我々の“村”の最上位に君臨されている」が、目指すつもりはない。

「とにかくテレビで唯一出たいのは『徹子の部屋』。楽しいことにチャレンジし続けられたらいい」。素直な気持ちを大切に時代を切り開く。(堀北 禎仁)

 ◆ドリアン・ロロブリジーダ 1984年12月24日、東京都生まれ。41歳。早大法学部在学中の2006年に「若手女装グランプリ」で優勝しドラァグクイーンデビュー。テレビや映画出演のほか、歌手「マサキ」としても活動。24年からNetflix「ボーイフレンド」シリーズのMC。同年にトランスジェンダーを公表するネイリストのKILAさんと入籍。身長181センチ。

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