◆JERAセ・リーグ 中日―巨人(2日・バンテリンドーム)

 中日・大野は、左拳を握ってほえた。意地の111球で開幕からのチームの連敗を5で止めた。

「チームを勝たせたいという思いが強かった。どんな形でも勝つしかなかった」試合後は井上監督から青色のだるまを首にかけられ、円陣の中心で一本締めを行った。

 「開幕5連敗で回ってくるとは思わなかった。頼むわと思いながら」と苦笑いを浮かべたものの、鬼の形相で最後までマウンドを守った。8回まで2安打投球で三塁を踏ませなかった。9回に2連打に失策も絡んで1点差に詰め寄られた。マウンドに来た山井投手コーチには「いや、俺がいきます」と続投を志願した。なおも無死二塁のピンチも踏ん張った。「勝ちたい、なんとか逃げ切りたい思いが出たんだと思います」と執念の完投勝利だ。

 球団で唯一、未勝利だったチームの今季1勝目は、自身にとっても記録づくめの1勝となった。通算勝目は、松本幸行に並ぶ球団歴代位。バンテリンDでの通算勝目は、山本昌の勝に次ぐ歴代単独2位となった。

「ここ(本拠地)で負けたらダメ。日々、勝利を届けたいと思いながらマウンドに上がっている」。さらに同球場通算700奪三振にも到達した。

 昨季は8度も連敗を止めた頼もしい歳が、この日も大仕事をやってのけた。昨季からの自身の連勝も自己最長の6に伸ばした。球団創設周年。年ぶりのリーグ優勝に向け、ベテランの気迫の熱投から井上竜の逆襲が始まる。(森下 知玲)

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