入社前から仕事の風景を変えつつある存在がある。生成AIだ。

使いこなすことにためらいのない世代がこの春、企業に加わった。だが、その軽やかな適応力の裏側には、見過ごせない不安も潜んでいる。

 ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所の調査(2026年1月20日~3月4日、内定者266人対象)によると、2026年度新入社員の86.1%が生成AIを日常的に利用している。頻度も高く、「ほとんど毎日使う」が23.7%、「週に数回」が42.5%と、生活の延長線上にあるツールとして定着している実態が浮かぶ。

 用途は幅広い。最も多いのは情報収集で45.9%、次いで思考整理39.8%、アイデア出し34.2%と続く。単なる検索の代替ではなく、思考補助としての役割も担っている点が特徴的だ。一方で、利用時に自ら考えたり調べたりしたと答えたのは55.3%にとどまり、情報の正確性を確認した割合は46.6%と半数を下回る。

 このギャップは不安の中身にも表れている。同調査では、73.3%が情報の正確性に懸念を示し、54.1%が思考力や創造力の低下を挙げた。使いながらも、その影響を測りかねている様子がうかがえる。

 それでもAIは仕事に不可欠とする認識は強い。

働く上で必要と答えた割合は91.8%に達した。就職活動への影響についても、36.5%が特に変化なしとしつつ、価値観の明確化(28.2%)や選択肢の拡大(24.1%)といった前向きな変化も一定数見られる。

 将来への不安は拮抗する。AIの進化に不安を感じない層は53.4%とやや上回るが、仕事の代替を懸念する声は27.2%にのぼる。完全な楽観でも悲観でもない、中間的な認識が広がっている。

 AIとともに育ってきた世代は、道具としての距離感が近い。それゆえに、使う力と問い直す力の差が、そのまま成果の差になる可能性がある。調査が示したのは、適応の速さではなく、使いこなしの深さが問われ始めている現実だ。

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