◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 阪神担当、通称「虎番」になって3か月、初仕事は1月2日に山口・防府市内の高川学園で行われたドラフト1位・立石正広内野手(22)=創価大=の自主トレ取材だった。初めて間近で見た黄金ルーキーは、胸板の厚さから異次元。

体つきからただ者ではないオーラを放っていた。「今日から阪神担当なんです! これからよろしくお願いします」と名刺を手渡すと、「よろしくお願いします」と穏やかににっこり。落ち着きがあって知的な雰囲気。それが私が初めに感じた印象だった。

 1年目の私にとって、ドラフト1位選手の取材は一番の大仕事。意気込んでいた直後、立石は新人合同自主トレのベースランニング中に右足の肉離れを発症。リハビリ期間は取材が制限されたため、あいさつを交わすのが精いっぱいだった。本人が一番悔しかったはずだが、私もただただ、もどかしかった。

 順調にリハビリを重ねて実戦復帰を果たした3月中旬、創価大の卒業式へ出席することが決まった。東京へ出張し、式の少し前に野球部のグラウンドをのぞくと立石の姿があった。前日に2軍施設「SGL」で会ったはずの私の顔を見ると「今日の朝来たんですか?」と目を丸くした。1対1で取材はできなくても、話したい、知りたいと思っていることを伝えたかった。

 立石は同25日に左手首の関節炎を発症し、再びリハビリ組へ。波乱のルーキーイヤーとなっているが、「そんなこともあったね」といつか笑って話せる日が来るはず。クリーンアップに「立石正広」の名前が並ぶと信じている。(阪神担当・藤田 芽生)

 ◆藤田 芽生(ふじた・めい) 2025年入社。球団マスコットはキー太派。

   

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