◇プロボクシング▽56・0キロ契約10回戦 〇小国以載(判 定)マーロン・タパレス●(3日、後楽園ホール)

 元IBF世界スーパーバンタム級王者の小国以載(ゆきのり、37)=角海老宝石=が、金星を挙げて世界戦線に再浮上した。前WBA&IBF世界同級王者で現WBC世界同級2位のマーロン・タパレス(34)=フィリピン=とノンタイトル戦で対戦。

中盤からボディーブローで主導権を握り、その後も流れを渡さずに3―0の判定勝ち。世界ランクで上位に名を連ねる強敵からの勝利で、世界挑戦をまた視界に捉えた。小国の戦績は24勝(9KO)4敗3分け、タパレスは41勝(22KO)5敗。

  終了のゴングに勝利を確信した小国は両手を高々と上げ、客席の応援団に向けて雄たけびを上げた。「最終回の開始前にダウンさえしなければ勝ちは分かっていた。後半勝負と決めていたので、作戦通りにできた」とタパレスからの金星を喜んだ。

 23年12月には井上尚弥(大橋)と4団体統一戦(タパレスの10回KO負け)を行った相手のパンチを警戒し、前半は無理に攻めなかった。「後半からボディー」という作戦がズバリとはまる。5回に右ボディーストレート、左ボディーアッパーをヒットして相手を下がらせる。7回にはタパレスの足が止まり、ダウン寸前に追い込み、快勝に持ち込んだ。

 本当の崖っぷちに立たされていた。世界王座を失ったのはもう8年以上前。

それでも、「もう一度世界挑戦の舞台に立つ」という強い思いだけでリングに立ち続けていた。サウスポーは大の苦手。タパレスとの対戦が決まると強豪大学に足を運び、スパーリングをお願いした。元世界王者という立場だが「大学生に倒されました」とアマチュアボクサーに圧倒される屈辱を味わいながらも、左対策に没頭した。

 陣営もラストファイトと考えていた。元WBA世界ライト級王者で角海老宝石ジムの小堀佑介会長は「これで引退だと思っていたので、月曜日(6日)に角海老グループの入社式を予定していた」というほど追い込まれた立場での一発大逆転。タパレスはWBA以外の3団体すべてで世界ランク4位以内にいるだけに、小国も世界ランク上位に復活することが濃厚。「入社式はまだ先になりました。ここまで来たら世界チャンピオンを目指します」と満面の笑みを浮かべ、王座返り咲きを宣言した。(近藤 英一)

 ◆小国 以載(おぐに・ゆきのり)1988年5月19日、兵庫県赤穂市生まれ。中学3年時に読んだ漫画「はじめの一歩」がきっかけでボクシングを始める。アマ戦績は54勝(23KO・RSC)13敗。

2009年11月にプロデビュー。11年11月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座獲得。16年12月にIBF世界同級王座を獲得。身長173センチの右ボクサーファイター。

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