花園近鉄ライナーズがRH大阪に競り勝ち、首位をキープした。一時は14点のビハインドを背負ったが、リザーブ勢が躍動。

後半25分に投入された社員選手のCTB岡村晃司(27)が終盤に2トライを挙げ、逆転した。3季ぶりの1部復帰を目指すチームは1月の第4節に続き大阪ダービーを制して3連勝。リーグ戦の残り4戦へ勢いを持続させた。

 雨中の激戦となった大阪ダービーに決着をつけたのは、メンバー23人中6人いた社員選手の一人で「元駅員」の肩書を持つ背番号22だった。後半25分からピッチに立った岡村は、2トライの活躍でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。「チームに、いい勢いを与えられた。気持ち良かった」と声を弾ませた。

 嫌な流れを断ち切った。開始7分で奪った12点のリードをひっくり返され、後半10分で14点のビハインド。だが、ここからホストチームが意地を見せた。同14分にWTB木村朋也の28歳“バースデートライ”で反撃ののろしを上げると、27分はFBとして途中出場した丸山凜太朗(26)のキックパスを起点に岡村が中央右に飛び込み、SOマニー・リボック(28)のコンバージョンも決まって同点。36分は岡村が左ライン際を走り切って勝ち越した。

 岡村の持ち味はディフェンスの強さと的確なサポート。求められた武器を存分に発揮した。2度の得点シーンは「もらえるように走っていたらボールが来た」、「足が速くないので、タッチに出なくて良かった」と謙遜気味に振り返ったが、太田春樹監督(39)は「リザーブの投入は全て良かったかな」と采配がはまって満足そうにうなずいた。

 勝ち点でS愛知に並ばれたが、勝利数の差で首位を守った。外国出身選手がスタメンの過半数を占める中、限られた時間で結果を残した岡村は「まだまだ遠い。一個一個です」と気を引き締め直した。目指すはリーグ制覇と3季ぶりの1部復帰。苦しみながら接戦を制したライナーズが、シーズン終了までノンストップで駆け抜ける。(吉村 達)

 ◆岡村 晃司(おかむら・こうじ)1998年6月12日、奈良県出身。27歳。7歳でラグビーを始め、天理中―御所実―帝京大を経て2021年に花園(当時近鉄)に加入した。22年1月にリーグワン初出場。

ニックネームは「おかじ」。趣味は野球観戦。170センチ、84キロ。

 〇…花園フィフティーンはこの日、紫を基調としたサードジャージーを着用した。デザインしたのは今月、東大阪市の長栄中に進学した西島千夏さん。昨年、ラグビー普及活動として同市の小、中学生を対象に実施された「ラグビージャージーコンテスト」で358作品の中からグランプリに選ばれた。西島さんは「ラグビーの試合を見るのは初めて。激しく戦って、勝ってほしい」と話していたが、劇的勝利で願いがかなった形となった。

 〇…この日の花園では、入場者の先着2000人にライナーズの話題で特別1面を制作したスポーツ報知が配布された。あいにくの空模様だったが3537人が来場。たちまち“売り切れ”となった。大阪ダービーを盛り上げる紙面を手にしたファンは熱心に見入っていた。

チームの広報担当は「新聞の1面を飾るというのは特別なこと。可能であれば、今後も定期的にできればいいですね」と話した。

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