◆明治安田J1百年構想リーグ▽第9節 水戸1―1(PK4―2)鹿島(4日・ケーズデンキスタジアム水戸)

 Jリーグ主催の公式戦で初めて実現した「茨城ダービー」で、水戸が歴史的1勝をつかんだ。昨季J1王者で、主要タイトル通算21冠を誇る東首位の鹿島に、1―1で迎えたPK戦を4―2で制する大金星。

「茨城ダービーを伝統の一戦に」「内容より結果」を合言葉に“J1・1年生”が団結し、新たに誕生したダービーマッチの初陣を飾った。鹿島は7連勝でストップ。千葉は東京Vを3―2で破り、今季2勝目を挙げた。

* * *

 鹿島に勝つ―。26年間、水戸はその挑戦権すらなかった。初のJ1クラブとして臨んだシーズンで、ついに訪れたチャンス。1―0の後半14分に退場者を出し、防戦一方となり、最後の最後に追いつかれた。それでもPK決着とはいえ、鹿島に勝った。水戸というクラブにとって、勝利こそが全てだった。先制点のFW渡辺は「内容より結果だと思っていた」と勝利を誇った。

 シーズン開幕前恒例の定期戦「いばらきサッカーフェスティバル」での戦績は2勝2分け15敗。主要タイトル獲得数はゼロと21。

“J1・1年生”と、93年のJ初年度以降、降格知らずの名門。ダービーと表現するには不釣り合いな構図とも言える初対戦だったが、茨城・筑西市出身のDF飯田は「茨城ダービーを『伝統の一戦』にしたい」と並々ならぬ闘志でピッチに立っていた。

 「水戸は鹿島の陰に隠れながら歩んできたチーム。1戦目で水戸が結果を出すことで、はじめてちゃんとしたダービーになると思っていた。だから1戦目は本当に大事だと」

 誰かが言わずとも、憧れることなんてやめていた。チームは「内容よりも結果」と意思を統一。序盤から緻密(ちみつ)かつ大胆なプレスで王者を苦しめ、前半34分に渡辺が先制した。後半14分に数的不利となってからはサンドバッグ状態だったが、終盤までゴールを死守。アディショナルタイム(AT)に痛恨のPK献上で失点したが、七転び八起きの精神こそ、このクラブの真骨頂。PK戦で日本代表GK早川から全員がキックを成功させ、鹿島の連勝を7で止めた。

 樹森大介監督(48)は「水戸ファミリーにとって、価値ある1勝になった」と拳を握った。鹿島の陰に隠れてきたクラブにとって、歴史的な1勝。

試合後のスタジアムは、水戸サポーターによる「茨城・水戸!」の大合唱に包まれた。(岡島 智哉)

編集部おすすめ