◆JERAセ・リーグ 巨人3―2DeNA(5日・東京ドーム)
一直線にスタンドへ伸びていく打球に、井上の顔がパッと明るくなった。笑顔で拍手し、帰ってきた大城へ「本当にありがとうございます!」と頭を下げた。
絶対に勝つ―。その強い思いをぶつけた。昨季終盤に発症した左肘痛の影響でキャンプは故障班。リハビリを経て2軍では3試合で2勝0敗、防御率0・53、さらに17イニングで26三振を奪う圧巻の投球でチャンスをつかみ取った。「燃え尽きてもいい」と初回から150キロを連発し、先頭・牧を見逃し三振に抑えるなど全力投球。4回2死から佐野に先制の1号ソロを浴びたが「ソロはOKという気持ちで。先発は試合をつくることが大事」と前を向き、7回になっても最速150キロを計測しながら計8奪三振。阿部監督は「今日にかけてきてくれたものが伝わった。
心も体も強さを増して帰ってきた。24年に8勝したが2ケタ勝利を期待された昨季は4勝8敗。本来の投球ができず苦しんだ。「不定期でおなかが痛くなっちゃったりするんです」。昨年はプレッシャーから試合途中に腹痛に襲われたこともあった。ストレスから顔や背中に吹き出物ができ、山崎から化粧品を教えてもらったこともあった。精神的にも弱った時には先輩やメンタルコーチに率直な思いを打ち明け、そのたびに前向きな気持ちに切り替えながらこの日を迎えた。「ネガティブなことは考えずキャッチャーミットめがけて投げることができました」。リハビリ中はウェートにも力を入れ、体重は5キロ増と体に厚みも出た。マウンドでは打者との対戦を楽しめる心の余裕があった。
先輩・大城の一発がもたらしてくれた逆転の今季初勝利。
【高木豊Point】
井上は投げているボールが大きく変わったわけではないが、メンタルが強くなったという印象を受けた。肘を痛める前は、いいコースを突こうとしてカウントを悪くしたり、窮屈なピッチングになりがちだったが、この日はマウンドを楽しみながら、しっかり腕を振って投げていた。巨人の台所事情は決して楽じゃない。井上にも意地があるだろうし、ここから救世主になってほしいね。(スポーツ報知評論家・高木 豊)










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