スピードスケート女子で今季限りで現役を引退した高木美帆さんが6日、都内で記者会見を行った。女子最多五輪通算10個のメダル獲得、日本勢初の世界選手権オールラウンド部門優勝など数々の歴史を刻んできたレジェンド。

銅メダルを獲得した3月の世界選手権でリンクに別れを告げた。会見には髪をまとめブラウス、パンツスーツを白でそろえ、笑顔を交えて登場した。

 会見終盤。最後の質問を求める際に高木さんが「私からいいですか」と話し、メッセージが贈られた。

 「改めてこの引退会見を迎えるにあたっても、質問に答える中で感じたことなんですけど、私がスケート人生を完遂するにあたって、本当にたくさんの方に助けてもらって、支えてもらってここまでこられたと改めて感じた。順を追っていくとこのときはこうで、この人に感謝しているとはこの時間ではお伝えできないくらい、本当に恵まれた時間の中で過ごせたと思っている。ここに来るまでの電車でそういうことを思い返すと、この会見で泣きそうと思うくらい感傷に浸っていたが、いざ皆さんを目の前にすると、いつもの高木美帆に戻るらしく、普通におしゃべりしてるんだなと感じている。内心ではスケートを去ることだったり、リンクで滑らないことを考えたときに寂しいなという気持ちもある。そう思うくらいの時間を、ここにいる方々だったり、この会見を見てくださる皆さんとともにと過ごしたことに感謝している。皆さんがいたから、自分のスケート人生は色とりどりになったんだと感じた。最後の五輪前に自分の気持ちに悩んだり、葛藤する時間もあったが、あの時期にそういう風に受け入れることができたので、最後、五輪のことだけを考えて走りきることができた。間の時間は一切の迷いなく走り切れた。

この場では伝えきれない気持ちや、感謝の気持ちがある。時間はかかるかもしれないが、直接お世話になった方々にお伝えすることができたらなと思っている。そういう風に今後の時間も使えたらいいなと思っているので、のんびりもしながら、でも先のことも考えながら歩んでいけたら。自分の中で経験できたものを感謝の気持ちでもそうだし、体験談として伝えることで社会にとって役に立つことがあれば、そういう活動もしたいと思っている。そういう時間を過ごしながら、次の自分の道も歩んでいきたい」

 会見は人数制限が設けられたが、会場は満杯になるほど。リモートでも多くのメディアが参加し、会見の注目度がうかがえた。10年バンクーバー五輪に出場した15歳から多くの報道陣と向き合ってきた高木さん。引退会見という場でも多くのメディアに対し、自身の言葉で思いを伝え続けた。会見後には高木さんの希望で、報道陣との集合写真も撮影され、一人ひとりにメッセージカードも手渡された。

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