巨人のファームを紹介する随時掲載の新企画「ファーム情報FROM G TOWN」。第2回はドラフト6位・藤井健翔内野手(18)=浦和学院=にスポットを当てる。

キャンプ中の対外試合初戦から2軍の4番を任せられ、将来の主砲候補として首脳陣の期待は高い。今季から就任した大田泰示2軍打撃コーチ(35)が自身の経験を元に指導にあたり、師弟タッグで1軍の舞台を目指す。(取材・構成=加藤 翔平)

 藤井は2軍のファーム・リーグ開幕後、1試合を除く全ての試合で4番に座り、将来の主砲候補として英才教育を受ける。3月14日のオイシックス戦(Gタウン)で初安打、初打点を挙げると、同19日の中日戦(同)では左腕の高橋幸から打球速度184キロ、“大谷級”の初本塁打。しかし随所に見せる非凡な打力の一方で、ここまで15試合で、打率1割9分6厘、1本塁打、6打点、50打席で22三振と苦戦し、誰もが経験するプロの壁に直面している。

 藤井「真っすぐの質も違うし、変化球のキレも見たことがないような球が多い。緩急も奥行きも使ってくるので難しさはあります。ホームランを打ったのもたまたまというか、全然自分の力で打った感じはしないんで。本当に『もっとやらないと』という気持ちで毎日臨んでいます」

 浦和学院時代から周囲が認める練習の鬼。プロ入り後も姿勢を変えず、試合終了後は大田コーチと特打に向かう日々を送る。今はひとつに重点的に取り組むというわけではなく、まずはとにかく振ることに向き合っている。

 藤井「自分一人ではなく、コーチが寄り添ってやってくれる。

本当にありがたいですし、なかなかこんな環境はない。2軍といえども公式戦。4番で出してもらっている以上はチームに貢献する打者になって、勝つための一つのピースにならないといけない」

 指導にあたる大田コーチは08年ドラフト1位で巨人に入団。自身も主砲候補として大きな期待をかけられ14、15年には第81代4番として、12試合に起用され3割6分2厘。成功も挫折も経験した。

 大田コーチ「自分でどう考えて行動するかは、これからのために必要。もがけば、もがくほどネガティブになるけれど、それを力に変えて『練習したい、まだまだ足りない』と思って、いい時間にしてほしい」

 阿部監督は「新生・巨人」を掲げ、チームは世代交代の時期に差し掛かる。次世代の主力の育成は、今後のチーム編成において重要課題だ。

 大田コーチ「(藤井は)間違いなく4番を打てる素材。遅くても5年くらいで形にしないと。その素材を早期に仕上げることへの責任や覚悟を持って接している。一歩一歩とはいかなくても、半歩ずつでも一緒に成長していけたら」。

二人三脚で「巨人の4番」へ駆け上がる。

 ◆藤井 健翔(ふじい・けんしょう)2007年8月15日、岡山・倉敷市生まれ。18歳。小学1年でソフトボールを始め、中学ではヤングMAKIBIクラブで捕手。浦和学院では2年春にベンチ入り。25年夏の埼玉大会は4番・三塁で出場も3回戦敗退。高校通算35本塁打。25年ドラフト6位で巨人入団。スイングスピードは160キロ超え。50メートル6秒5、遠投100メートル。181センチ、96キロ。右投右打。

 ◆大田 泰示(おおた・たいし)1990年6月9日、広島・福山市生まれ。35歳。東海大相模で高校通算65本塁打。08年ドラフト1位で巨人入団。17年から日本ハムに移籍。19年に自身初のシーズン20本塁打、20年にゴールデン・グラブ賞のタイトルを獲得。22年からはDeNAでプレーし24年に引退。今季から巨人の2軍打撃コーチに就任。1軍通算907試合、718安打、打率2割5分9厘、84本塁打、343打点。188センチ、96キロ。右投右打。

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