◆プロボクシング ▽IBF女子世界アトム級(46・2キロ以下)王座決定戦10回戦 〇同級1位・山中菫(判定)同級3位・鵜川菜央●(4月7日、東京・後楽園ホール)

 IBF女子世界アトム級王座決定戦10回戦が行われ、元王者で同級1位の山中菫(すみれ、24)=真正=が、前WBO女子アジアパシフィック同級王者で同級3位の鵜川菜央(30)=三迫=を2―1の判定で下し、1年ぶりの王座返り咲きを果たした。山中は、元WBO世界ミニマム級王者・山中竜也の妹。

 身長146センチのサウスポー・山中は、自身より14センチ長身の鵜川の懐に入り込み、顔面へ右フックをたたき込んだ。終始プレスをかけ続け、右フック、左ストレート、左ボディーを好打。鵜川もコンパクトなワンツー、左アッパーで応戦。最終回まで両者激しい打撃戦を繰り広げた。ジャッジの採点は2者が97―93、96―94で山中を支持、1者が96―94で鵜川を支持した。

 山中は昨年4月、IBF王者としてドイツでWBA&WBC&WBO王者ティナ・ルプレヒト(ドイツ)との4団体王座統一戦に臨み、0―2の判定で敗れて王座陥落していた。再起2戦目でIBFのベルトを奪還し「とにかくめちゃくちゃうれしい」と安堵(あんど)の表情。対戦相手の鵜川を「想像していた通り、手数が多くて、強かった」とたたえ「右フックは感触はあったが、倒すつもりではなく当たって倒れたらラッキーやな、ぐらいに思っていた。採点は自分的にもたぶん割れているかなと思っていたのでちょっと心配だったが、会長(山下正人会長)が笑ってくれていたので大丈夫かなと思った」と振り返った。

 今後の目標は、1年前には惜しくも届かなかった世界4団体統一だ。「ベルトが戻ってきたのはホッとしているが、今のままじゃ全然だめ。もっともっと練習してしっかり勝っていって、最終的に4団体統一できるように頑張ります」と力強く語った。

 惜しくも敗れた鵜川は、日本バレーボール協会に勤務しながらリングに上がる異色のボクサー。協会ではハイパフォーマンス推進チームに所属し、日本代表選手たちをサポートしている。この日も、川合俊一会長(63)をはじめ協会関係者が多数応援に駆けつけた。

 初めての世界戦の舞台。「最初は自分が世界をやっていいのかというところから始まった試合だった。相手も強いので、本当にやれるのか、勝てるのか、と毎日自分に問いかけながらやりましたけど、ボクシングでやることや試合に向かう過程は変わらない。とにかく前向きに一日を過ごしてきました」と振り返った。

 惜しくも1―2の判定で世界には届かず「ここまで支えてくれた三迫ジムの方たちや協会の方たちへの感謝を、形にできるものが欲しかった」と話した。

 戦績は、山中が10勝(3KO)1敗、鵜川が6勝1敗。

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