来年1月の任期満了に伴う宮崎県知事選について、元同県知事の東国原英夫氏(68)が9日、宮崎市内で会見し、出馬すると表明した。

 以下、主な質疑応答

―現在の河野県政をどう評価するか

 「この十数年の県政運営は、非常に安定的で手堅いという印象を持っています。

一方で、県民からは「可もなく不可もなく」という声も多く聞きます。政策面では日本一プロジェクト」などがありますが、それ達成されているのか、県民生活にどういう効果をもたらしているのか、検証が必要だと思います。また、総合計画やアクションプランについても、精緻な検証が必要だと考えています」

 ―SNS投稿の削除・謝罪について

 「関係者の皆様には、心からお詫び申し上げたいと思っています。私としては当時、一定の真実相当性があると判断して投稿しました。現場で聞いた話、報道内容、インフルエンサーや政治評論家の発信などを総合して判断したものでした。しかし結果として、事実の根拠に欠ける部分があったと判断し、削除し、謝罪しました。遺族の方にも直接謝罪し、受け入れていただきました。自分の独断で真実相当性があると判断したこと自体が誤りだったと、真摯に反省しています。今後二度と同じことが起きないよう、再発防止に努めなければならないと考えています」

 ―県内経済をどう引き上げるのか

 「今日は個別政策の詳細は控えますが、方向性としては産業転換が必要だと考えています。これまで宮崎の基幹産業は、農林水産業と観光・スポーツ・サービス業の二軸でした。これに加えて、製造業を第三の基幹産業として強化する必要があると思っています。特に、AI、ロボット、半導体、蓄電池などの先進技術分野を含む製造業、そして地場産業も含めた幅広い製造業に力を入れていく。

製造業はGDPを引っ張る力がある。そこを強化することで県民所得、事業所得を上げ、暮らしを豊かにしていきたいと考えています」

 ―前回敗戦の分析と今回の戦略

 「4年前の知事選は、2万3000票差で敗れ、非常に悔しい思いをしました。最大の敗因は、私が1期で退任したことへの批判を、県民の皆さんに十分説明しきれず、納得していただけなかったことだと思っています。ただ、この3年半、宮崎の成長や活力を諦める気持ちにはなりませんでした。だからこそ、今回再チャレンジすることにしました。人生は何度でも挑戦していい。失敗した人を排除する社会であってはいけないと考えています」

 「戦略としては、組織・団体型の選挙に対し、私は草の根、市民運動型の構図になると見ています。県民一人ひとりに直接訴え、自分の情熱、政策、熱量を愚直に伝えていく。それに尽きると思っています」

 ―ビートたけしさんへの報告は?

 「詳細は申し上げませんが、報告はしております」

 ―「どげんかせんといかん」再び使うのか

 「2007年に流行語大賞にもなったどげんかせんといかんは、今でも非常に強く県民の記憶に残っています。県内を回っていても、若い人を含め多くの方がその言葉を覚えてくれています。まだ決定ではありませんが、私の中では「どげんかせんといかんリターンズ」、あるいは「どげんかせんといかん×5」といった案もあります。ただ、政策やキャッチフレーズは、これから県民の皆さんと一緒に考えていきたいと思っています」

 ―無所属か。

政党・団体の推薦は求めるのか

「無所属で出馬する考えです。ただし、政党や団体への推薦・支持の要請をどうするかについては、現在スタッフと協議中です。私はチーム宮崎で県民総力戦をやるべきだと思っています。GDPを5兆円台に引き上げるには、県民一人ひとりの力を最大化しなければならない。そのため、分断や対立はできるだけ避けたいと考えています」

 ―ご自身を「タレント」と呼んでよいか

 「政治評論家、コメンテーター、タレント、いずれでも構いません。私はタレントという呼称を否定していません」

 ―東九州新幹線について

 「4年前の知事選で新幹線を問題提起したのは、県民に議論してほしかったからです。それまで十数年、新幹線の『し』の字も出てこなかった。宮崎が他県に劣後している要因の一つに、インフラの弱さがあると考えていました。新幹線は、観光、物流、生活、救急医療、災害対応に大きく寄与します。さらに、県民が地元を誇りに思うシビックプライドの形成にもつながる。私はそこに大きな意味があると思っています。整備新幹線が難しければ、ミニ新幹線やフリーゲージトレインも含めて選択肢として検討すべきです。

在来線をどう残すか、自治体負担をどう考えるかなど、現実的な比較も必要です。ただ、私は県民に対して、「生きているうちに新幹線を通します」とはっきり申し上げています」

 ―知事に必要な資質とは

 「誠実さ、決断力、判断力、政策能力、知力、学力、体力。そういったものは当然必要です。そのうえで、私は明るく元気で前向きであることも首長の大切な資質だと思っています。首長の性格や資質は、そのまま県政に反映されるからです。宮崎は神話のふるさとであり、ニニギノミコトの『ニニギ』は賑わいを意味する。この土地を明るく、元気に、豊かにしていくことが大事だと思っています。また、宮崎はエンタメの発祥の地でもあるという思いがあり、政治も人々に関心を持ってもらうための『エンタメ性』が必要だと考えています。それは面白おかしくすることではなく、政治を身近に感じてもらい、投票率を上げることにつながると思っています」

 ―息子の加藤守氏を選対本部長に据えた理由

 「能力を評価しているからです。また、私の人口対策、特にU・I・Jターンの象徴的な存在でもあると考えています。彼は東京生まれ東京育ちですが、宮崎に移住し、結婚し、子どもも生まれました。こうした若い子育て世代が宮崎に移り住み、結婚、出産、子育て、教育までを続けていけるような伴走支援をどう整えるか。

そのモデルケースとしても意味があると思っています。政治家になるかどうかについては、私は承知していません。ただ、私を支えてくれていることには深く感謝しています」

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