朝のキッチンに立つ時間が、少しずつ短くなっている。手際の問題ではない。

作り方そのものが変わってきたからだ。料理メディアを運営するNadia株式会社の調査によると、弁当を週1回以上作る人は約半数にのぼる一方、朝にすべてを調理する人は18.2%にとどまった。代わりに増えているのが、作り置きや冷凍食品を組み合わせる方法だ。

 弁当を作る理由の最多は食費の節約で59.8%。続くのは必要性に加え、買いに行く手間を省きたいという回答も27.4%あった。昼休みの時間を有効に使いたいという意識も背景にある。単なる節約術ではなく、日中の過ごし方を整える手段として弁当が選ばれている。

 調理スタイルでは、主菜か副菜のどちらかだけを朝に作り、残りをストックで補う方法が約37%と最多だった。さらに、詰めるだけで完結させる層や前夜に準備を終える層もそれぞれ2割弱存在する。検索データでも「冷凍 弁当」に関するワードは前年比120%に伸びており、事前準備で朝の作業を減らす流れが広がっている。

 使う容器にも変化が見られる。保存容器を弁当箱として使う人は28.6%に達し、理由は電子レンジで温めやすい点が59.8%で最多だった。

洗いやすさや密閉性も支持されている。調理から保存、持ち運びまでを一つで済ませる合理性が選ばれている。

 悩みの中心はメニューのマンネリで61.8%。すき間を埋める小さなおかずや彩りにも約3割が課題を感じている。加えて衛生面への不安も49.4%にのぼった。手間を減らしつつも、味や見た目、安全性は保ちたい。その折り合いを探る工夫が、今の弁当作りを形づくっている。

 調査は2026年3月27日から4月2日にかけて、Nadia登録ユーザー1125人を対象に実施された。数字から見えるのは、頑張り方を変えることで日常を持続させようとする姿だ。朝の負担を減らす選択は、生活全体の余白を生み出している。

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