自分の葬儀をどうするか。考えはあっても、言葉にする機会は少ない。

株式会社NEXERと可部葬祭 花園邸の調査によると、60代以上の46.7%が家族葬を希望している一方で、33.7%は形式を決めていないと答えた。選択肢は多様になったが、判断は個人に委ねられている。

 家族葬を選ぶ理由には、費用を抑えたい、身近な人だけで見送りたいといった声が並ぶ。直葬や一日葬を選ぶ人も、共通して家族への負担を減らしたい意識を挙げている。形式の違いはあっても、残される側への配慮が判断の軸になっている。

 ただ、その意向は家族と共有されていないことが多い。葬儀について話し合ったことがないと答えた人は74.0%にのぼった。理由としては、まだ早い、話しにくいといった心理的な壁が目立つ。必要性を感じながらも、切り出せないまま時間が過ぎていく構図だ。

 行動にも同じ傾向が表れている。葬儀の事前相談や見学をしたことがない人は92.3%に達した。実際に動いた人の多くは、家族の死や余命宣告など差し迫った状況がきっかけだった。

情報収集はインターネットで済ませるという声や、勧誘への警戒感もあり、現場に足を運ぶハードルは高い。

 一方で、会場選びに際して事前に確認できたほうがよいと考える人は49.6%と半数近くにのぼる。確認したい点はスタッフの対応が55.7%で最も多く、雰囲気やアクセス、家族葬への適性も重視されている。安心して任せられるかどうかを見極めたい意識は強い。

 調査は2026年3月12日から23日にかけて、60代以上の男女300人を対象に実施された。意向と行動の間にある距離が、この分野の特徴を物語る。準備は必要とわかっていても踏み出せない。そのためらいこそが、現代の終活の現実と言えそうだ。

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