マーケティング戦略立案などに従事する株式会社クリエイティブジャンプ(本社・東京都港区)は、全国の飲食店利用者を対象に、飲食店におけるLINE公式アカウントの登録実態と再来店行動に関する調査を実施し、その結果を9日に発表した(事前調査=有効回答数1000、本調査=同198)。

 飲食店が新規集客のための広告、SNS施策のひとつがLINE公式アカウントだが、事前調査では、過去3か月以内に公式アカウントを友だち追加したことがある人は1000人中208人(20.8%)にとどまる結果に。

しかし、「過去1年以内にLINE配信やクーポンをきっかけに来店・注文したことがありますか」という問いには、「何度もある」が47.5%、「1~2回ある」が37.9%で、登録者の計85.4%が来店・注文が経験あると回答した。

 最近の登録は少ないものの、同社は「一方で、本調査では高い行動喚起率が確認されており、飲食店LINEの課題は『効果が弱いこと』ではなく、最初の登録の壁をどう越えるかにあると考えられます。つまり、LINEは弱いのではなく、登録さえされれば強い」と読み取る。

 さらに「飲食店LINEが再来店導線として十分に機能し得ることを示しています。だからこそ重要なのは、QRコードを置くだけではなく、来店中に登録したくなる理由をつくることです」と、店頭、レジ前、テーブル、スタッフとの会話など、来店時の近い接点を起点に関係を深めていく「近距離マーケティング」の重要性を説いた。

 登録者の傾向には男女差も。再来店や注文のきっかけになりやすい情報として「クーポン」を挙げた割合は、女性63.6%、男性52.7%。一方で、通知をブロックしたくなる理由として「登録したメリットを感じない」を挙げた割合は、男性36.4%、女性20.5%だった。「女性はクーポンなどの分かりやすい価値に反応しやすい一方で、男性は『登録している意味があるか』をよりシビアに見ている傾向がうかがえます」(同社)。

 目を引くデータが世帯年収別の登録の割合だ。登録経験率は500万円未満で12.9%、500万~1000万円未満で26.2%、1000万円以上で35.6%と、世帯年収が高い層ほど登録経験率が高い傾向にある。同社は「この結果から、飲食店LINEは誰にでも同じように登録されるわけではなく、相対的に可処分所得が高い層や、利便性・情報価値に敏感な層に届きやすい可能性がうかがえます」と分析した。

 一方で、通知をブロックしたくなる理由に「同じような内容ばかり届く」を挙げた割合は、世帯年収1000万円以上の層が59.2%と、500万円未満の層の25.8%を大きく上回った。同社は「高所得層ほどLINEを来店・注文のきっかけとして活用している一方で、内容の鮮度や変化に対してより厳しい目線を持っていることがうかがえます。効果が高い層に届けるほど、単なる一斉配信ではなく、意味のある配信設計が求められます」としている。

編集部おすすめ