元日本テレビアナウンサーの多昌博志(たしょう・ひろし)さんが、7日に多発肝腫瘍のため、神奈川県内の病院で死去したことが9日、スポーツ報知の取材で分かった。63歳だった。

葬儀は近日中に近親者のみで執り行われる。

 はつらつとした耳なじみのいい声色で、名物スポーツアナとして知られた多昌さんが急逝した。関係者によると、3月27日から体調不良のため入院。今月1日の63歳の誕生日を病床で迎えていた。アナウンサー、キャスターらを育成する「日テレ学院」の学院長職への復帰に向けて闘病していたが、帰らぬ人となった。

 中大卒業後の85年、同局に入社。アナウンサー部ではプロ野球、サッカーなど、主にスポーツ中継を担当した。キャリアの代名詞と言えるのが、1993年の巨人・松井秀喜選手のプロ入り初本塁打の実況。5月2日の巨人―ヤクルト戦(東京D)、7番・左翼で先発した松井選手が9回2死一塁から、高津臣吾投手の内角球を右翼席へたたき込む様子を、「ライトへ、ライトへ、ライトへ!」「松井のプロ入り第1号!」「とてつもないルーキー!」と高揚感あふれる語り口で伝えた。

 89年7月15日の巨人・斎藤雅樹投手の11試合連続完投勝利や、2000年10月22日の日本シリーズ第2戦、巨人の長嶋茂雄監督とダイエー(現ソフトバンク)の王貞治監督のON対決などを担当。翌01年には、9月30日の長嶋監督の勇退試合(巨人-横浜)で実況を務め、「(アナとしての)デビュー戦より緊張してます」と重責を口にしていた。

 「箱根駅伝」の中継には、87年の中継開始時から担当。

99年、2000年は1号車の実況を務めた。03年に営業局に異動。23年に日テレイベンツ取締役に着任すると、昨年6月から「日テレ学院」学院長として後進の育成に尽力していた。

◆多昌 博志(たしょう・ひろし)1963年4月1日、神奈川県出身。中大法学部を経て、85年日本テレビ入社。86~91年まで「今日の出来事」のスポーツコーナーを担当。91年世界陸上東京大会では、男子走り幅跳びのマイク・パウエル(米国)の8㍍95の世界新記録を実況。2002年のサッカー日韓W杯準決勝ドイツ-韓国戦を実況した。

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