◆JERAセ・リーグ 阪神2―0ヤクルト=7回裏降雨コールド=(9日・甲子園

 甲子園の茨木コールが鳴りやまない。高卒4年目。

阪神・茨木秀俊投手(21)がプロ初先発で、待望のプロ初勝利をつかんだ。2―0で迎えた6回2死満塁。雨が降りしきるなか、チェンジアップを4球続け、代打・宮本を空振り三振に仕留めた。顔色一つ変えることなく6回5安打無失点でマウンドを降り「ファンの方の声援もすごくて、自信になる」と晴れやかだった。藤川監督は「うれしい」と6回も口にし、満面の笑みを浮かべた。

 北海道札幌市出身。人生は15歳で大きく動いた。「プロに行くために自分に合う環境だと思った」と、両親に相談せずに進路を決めた。選んだのは新潟・帝京長岡。日本ハムなどで活躍した芝草宇宙監督(56)の熱い指導方針に心を動かされ「プロ野球選手になる」と腹を決め、地元を離れた。

 芝草監督は札幌東シニア時代の茨木のプレーにほれ込んだ。「投手として素晴らしいきれいなボールを投げられる。

身体能力も高く、人より腕も長い」。素材は抜群、志も高い。「鍛えたら必ずプロになれる」と確信。その直感通り、同校初のプロ野球選手に成長した。今春センバツに出場した母校の戦いも観戦し、原点回帰。今年のファーム2試合で防御率0・96と好投しチャンスを引き寄せた。「(甲子園は)高校時代行けなかった思いもある。初勝利をつかみたかったので良かった」と聖地でほほえんだ。

 7回の攻撃中に試合が中断し、そのまま降雨コールドとなったため、ウィニングボールは“行方不明”に。記念球について問われると「欲しいですね。両親に渡したいです」と苦笑いしたが、その後、無事に球団から届けられた。

 チームを18年ぶりとなる開幕4カード連続勝ち越しに導き、首位・ヤクルトと0・5差に接近した。

「1軍で活躍し続けられるように」と若虎。球団初のセ・リーグ連覇へ、球児阪神に新星が誕生した。(藤田 芽生)

 ◆茨木 秀俊(いばらぎ・ひでとし)2004年6月8日、北海道生まれ。21歳。帝京長岡(新潟)では甲子園出場なし。22年ドラフト4位で阪神入団。25年は9月21日のヤクルト戦(神宮)で1軍デビューを果たすなど、2試合に救援登板。183センチ、87キロ。右投右打。未婚。実弟はロッテの24年育成ドラフト2位・茨木佑太。

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