地球の未来を守れる知識が得られる「僕が使ったペットボトルはどこへ行く? 13歳からのサーキュラーエコノミー超入門」が、ビジネス書や実用書を中心に出版するクロスメディア・パブリッシングから、10日に発売された。

 「2050年には、海に漂うプラスチックの重さが、泳いでいる魚の重さを上回る」という衝撃的な予測や、「ペットボトルなど一部のプラスチック製品は、分解されるまで実に数百年もかかる」といった科学的知見を起点に、海・陸・空に広がっているマイクロプラスチック汚染の実態、日本のごみ処理の現状、リサイクルの最前線、さらには世界各地のサステナブルな取り組み事例まで、資源循環の全体像を解きほぐす。

 予約段階から、Amazonでも「環境問題」「エコロジー」「リサイクル」「地球科学」など7部門でカテゴリー1位を獲得。「便利さ」と「環境への影響」の両面からプラスチックを見つめ直し、私たち一人ひとりが「今日からできる行動」を考えるきっかけとなる入門書だ。

◆本書にぴったりなのは?

・環境やSDGsに関心のある中学生・高校生・大学生

・子どもと一緒に環境問題やプラスチック汚染の問題を学びたい保護者・教育関係者

・サーキュラーエコノミー(循環型経済)の基本を知りたいビジネスパーソン

・・「ごみを分別しているけれど、その先がどうなっているか知りたい」と思ったことがある人

・リサイクルの仕組みを正しく理解したい方

・企業のサステナビリティ推進担当者

◆今日、あなたが何気なく捨てたプラスチックが、数百年も残るとしたら?

 世界では年間約4.6億トンのプラスチックが生産され、約3.53億トンが廃棄されている。実際にリサイクルされているのは、わずか約9%。約50%は埋め立て、約19%は焼却され、約22%は不法投棄や管理不十分な処理により、河川や海へ流出している可能性があるとされている。

 また、プラスチック製品は、軽くて丈夫で扱いやすい半面、分解までとても時間がかかるものも多々ある。たとえば、ビニール袋が自然の中で分解されるまでには10~20年、ペットボトルや釣り糸が分解されるまでには数百年かかるとも言われている。

 こうした衝撃的なデータや事実を基にして、「なぜリサイクルが進まないのか」「私たちが分別したプラスチックはどこへ行くのか」を丁寧に解き明かし、左側にイラスト、右側にやさしい解説という形式で伝えている。

 日本は「焼却大国」と呼ばれ、プラスチックごみの約70%が焼却処理されています。焼却熱は発電や温水をつくることにも活用されてはいますが、海外ではこれは「サーマルリカバリー(熱回収)」と呼んで「リサイクル」には含めない国も多いのが実態。日本独自の「サーマルリサイクル」という考え方の功罪を含め、焼却・埋め立て・リサイクル・流出という4つのルートも、図解を交えてわかりやすく紹介している。

◆1日に触れるプラスチックの数は100以上!?

 ユニークな特徴のひとつが、6つの章のうちの「Chapter2」の前半で、高校生「ダイスケくん」の1日を追いながら、朝起きてから夜寝るまでに触れるプラスチック製品を具体的に数えていく。

 ペットボトル、歯ブラシ、スマホケース、弁当容器、スポーツウエア、お菓子の袋……。見えないところも含めると、1日に触れるプラスチックは100点以上にのぼり、そのうち約7割が半日も使わずに捨てられる「使い捨て」であることが明らかになる。

 さらに、読者が実際に「今日使ったプラスチック」を数えるミニワークを紹介するなど、「気づくことが行動を変える第一歩」というメッセージを体験的に理解できる構成。プラスチックの歴史、素材の種類と特性など、知識の面でも体系的にカバーしている。

◆「不完全でも始める」世界の実践事例と、循環社会への3つのカギ

 「Chapter6」では、学校・街・企業における世界のサステナブル実践事例をいくつか紹介。イギリスの「Plastic Free Schools(プラスチック・フリー・スクールズ)」では、子どもたちが校内のプラスチック使用を調査し、ストロー5万本の削減を達成。オランダ・アムステルダム市は「Reuse, Unless(まず再利用、無理な場合だけ新品)」を公共調達ルールに掲げて、工事費を2~3割ほど抑え、二酸化炭素の排出量を約40%削減することに成功した。

 また、アディダスとビーチクリーン団体のParley for the Oceans(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)は、海洋プラスチックごみを原料にした再生ポリエステル糸でつくるスニーカーを年間1500~2000万足出荷。パタゴニアは廃棄漁網から衣料品素材の再生糸「NetPlus」を開発している。

 これらは「まだまだこれから」「挑戦の途中」という段階の取り組み。ただ、不完全でも始めることで、課題や必要なものが見えてくる。

 著者の木口さんは、循環社会を実現するためには「(1)人の意識、(2)テクノロジー、(3)法制度」の3つがそろうことが必要だと説く。

プラスチックリサイクル装置メーカーのCEOとして、機械技術で循環を支える立場から、「正しく知ること」が循環社会の出発点だという信念のもと、本書を執筆。13歳から大人まで、プラスチックとの「つき合い方」を見つめ直す一冊となっている。

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