プロボクシングWBC世界バンタム級2位・那須川天心(帝拳)が、きょう11日、両国国技館でWBC世界同級挑戦者決定戦のリングに上がる。対戦相手は、元世界2階級制覇王者でWBC世界同級1位のフアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)。

昨年11月に井上拓真(大橋)に敗れて以来、5か月ぶりの再起戦でもある天心。元WBC世界バンタム級王者で本紙評論家の山中慎介氏は、天心の勝利のカギは「接近戦」にあると分析した。

 天心とエストラダが壇上で並んでいる姿を見て、バンタム級というウェートでは、下から階級を上げてきたエストラダより、天心の方がフィットしているように思えた。エストラダは日本のファンにもおなじみの選手。多くの強豪と戦い、一発のパンチ、スピードが突出しているわけでないが、よく動き、よく手が出るテクニシャン。要注意はジェシー・ロドリゲス(米国)からダウンを奪った右だ(2024年6月、試合は7回KO負け)。天心は得意とする離れた距離での戦いで、この右をもらわないことだ。

 そして、試合のキーポイントになるのは接近戦だと思う。昨年11月のWBC世界バンタム級王座決定戦で井上拓真(大橋)に判定負けしたが、離れている時は良かったが、距離を詰められた時に後手に回るシーンが目に付いた。逆に井上拓は距離を詰め、先手、先手でペースをつかんでいた。ただ、陣営もこれは理解しているはず。連敗の許されない天心は、再起戦に向け厳しい練習を克服してきたことは分かっている。

精神的にもつらく、厳しい時期だったが、強くなるためにはすべてを我慢していた。

 相手と接近した時、何か迷いみたいなものがあったのだろう。とにかく先に打ち込むことだ。私の経験から、これは自信を持つこと。自信を持っていれば、迷いもなく、自分から打ち込むことができる。言葉で言うのは簡単だが、真の自信を持つことが一番難しいことであり、それは日々の練習で植え付けるもの。エストラダは一筋縄ではいかない相手でも、天心の言葉を信じれば、もう迷いはないと感じる。(元WBC世界バンタム級王者)

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