◆米男子プロゴルフツアー メジャー初戦 マスターズ 第1日(9日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7565ヤード、パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)9日=星野浩司】5年ぶり2度目の優勝を目指す松山英樹(34)=LEXUS=は2バーディー、2ボギーのイーブンパー72で回り、首位と5打差の17位発進となった。3年連続で初日のアンダーパーを逃したが、5打差のV圏内に耐えた。

初出場の片岡尚之(28)=ACN=は12オーバーの84で最下位。2連覇を狙うロリー・マキロイ(36)=英国=、サム・バーンズ(29)=米国=が67で首位。

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 オーガスタの強い日差しが差す14番パー4。松山は得意のアプローチで珍しくミスを犯した。風の影響を受けやすく、神に祈るほど難しいとされる11~13番「アーメンコーナー」をパーで抜けた直後。グリーン奥18ヤードから第3打が強めに出てピンを越え、急傾斜を転げ落ちてグリーン外へ。第4打も寄せ切れずに3メートル強を残すピンチに見舞われた。「14番で全部壊れた」と振り返ったが、ねじ込んでボギーで切り抜けた。

 起伏がきつく、硬くて速い超高速の“ガラス”グリーン。1番の第2打はピン奥10メートルへ想像以上に転がり「うわ、硬いんだと。メンタルをやられた」と漏らした。生命線のパーオン率は全体51位の64・29%と低調。

アプローチも苦戦した中、支えたのは今季好調のパットだった。5番で2・5メートル、14番で3メートル強のボギーパットをしぶとく沈め、2度の“ダボ回避”。「あのボギーパットが残るようじゃしんどいゴルフだけど、あそこが入ったのはすごく大きかった」とかみしめた。

 グリーンの傾斜を足裏で読む「エイムポイント」を今季から本格的に始めた。試合や練習で毎回、グリーン上で勾配に応じた本数の指を顔の前に立て、ラインを定めて打ち出すルーチン。マスターズで1ラウンド通じて実践するのは初めてだ。10番で4メートルを沈めて初バーディーを奪い、高難度のグリーンでパット数27は全体5位だ。足裏まで神経を集中させ、踏みとどまった。

 今回で13年連続15度目の出場。3年連続で初日アンダーパー発進を逃したが、首位と5打差はV圏内だ。90年のニック・ファルド(英国)、05年のタイガー・ウッズ(米国)は18ホール終了時の7打差から最大差逆転優勝し、自身も21年は初日の4打差2位から逆転で初Vを飾った経験がある。「しっかり伸ばして、上位で戦えるように頑張る」。

5年ぶり2度目の優勝を狙う松山の表情は明るく、言葉は前向きだった。

 ◆エイムポイント 「エイムポイント・エクスプレス・リード」の略称。2011年に女子のステーシー・ルイス(米国)が取り入れて世界ランク1位となって以降、広まったパット前の動作。足裏で感じたグリーンの傾斜を勾配ごとに段階分けし、カップからどれだけ外して打つかを決める。例えば傾斜レベル1の場合は、見た目の指1本分カップの外に打ち出す、という約束ごと。足裏の感覚で錯覚を防ぎ、客観的な判断の一助になる。

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