◆JERAセ・リーグ 巨人3―2ヤクルト(10日・東京ドーム)

 巨人がヤクルトを下し、貯金を今季最多の2とした。先発したドラ1ルーキー・竹丸和幸投手(24)が6回途中で8安打を浴びながら1失点で切り抜けプロ2勝目をマークした。

打っては増田陸の先制打、泉口の中押し打に加え、2―1の7回には今季初めて5番に入ったT・キャベッジ外野手(28)が右翼席上の壁を直撃する特大の3号ソロで貴重な追加点を挙げ、3カードぶりに初戦をものにした。

 やはり竹丸は持っている男だった。1点リードの4回2死一、二塁。カウント2―2から赤羽へ5球目を投じた瞬間、突如足元から崩れ落ちた。「軸足が滑ってバランスを崩して。投げなきゃいけなかったので、とりあえずボール投げた感じ」。左足を滑らせ、転倒しながら投じた球は大きくそれてワンバウンド。二塁走者のオスナが三塁へ走り出すと、すかさず捕球した岸田が送球し、盗塁死が記録された。奇跡のトリックプレー?でピンチを脱出。肝っ玉ルーキーはニヤリと笑い、ジョークをさく裂させた。

 「あれは…狙ってやりました」

 阿部監督もまた「トリックプレーみたいになっちゃったね」とニヤリ笑った。

 初回から真っ向勝負で挑んだ。

「真っすぐで押して、いけるところまで押していこうと思っていました」。先頭・長岡には全球ストレートで三ゴロに。初回に投じた14球のうち、13球が直球だった。その後は徐々にチェンジアップなど変化球を増やし、タイミングをずらしながら6回途中1失点。8安打を浴びながらも耐え抜いた。「これだけ打たれたので、負けてもおかしくなかったんですけど、うまく粘れた。そこはすごいよかった」。前回登板では5四死球と制球に課題が残ったが、この日は1四球のみ。修正力も光った。

 先発ローテを回る投手は通常、登板2日後が休養日。球団初の新人開幕白星を挙げた後の3月29日は、自力で調べたという美容室へ足を運んだ。「投げていて邪魔だったので切りました」。

さっぱりと短くなった髪で心機一転、2勝目に向け再スタートした。

 そしてプロ初黒星を喫した3日のDeNA戦の翌々日は、昼過ぎまで夢の中。「起きて朝飯は食べたんですけど、2度寝したら昼だったんですよ。13時を過ぎていて…。めっちゃ寝ました」。社会人時代から趣味に「睡眠」を挙げるほど寝ることが大好き。「寝たらだいたい、なんとかなる。気づいたら次の日でしたね」。自分のペースを崩さず存分にリフレッシュタイムを過ごし、体力をチャージ。この日の好投へつなげた。

 お立ち台では、7回に本塁打で追加点を与えてくれたキャベッジに「Thank You」と笑う余裕も見せた。前回の悔しさをバネにし、リリーフ陣にも助けられながら手にしたプロ2勝目。

ポーカーフェースの竹丸にも心なしか笑顔が増えてきた。(北村 優衣)

 ◆竹丸に聞く

 ―投球は苦しい中でも最少失点。

 「バックに助けてもらったのと、まああの、あの(4回の)トリックプレーが結構大きかったかなと思います(笑)」

 ―過去に同じような経験は?

 「引っかかってあんな感じになったことはあって。あれで走者アウトになったのは初めてです」

 ―前回から見直した点。

 「フォームだったり、あとは打者に対する考え方。打たれる分にはしょうがないかなっていう考えです」

 ―ここまでほとんど長打を打たれていない。

 「結構強い当たりを打たれているので、そこに関してはたまたまかなというのはあります」

 ◆記録メモ 新人の竹丸(巨)が2勝目。球団の新人で2勝以上は23年田中千(2勝)、船迫(3勝)以来、左腕では19年高橋優貴(5勝)以来だ。4月までに2勝も高橋が4月2勝して以来になる。

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