「転売ヤー」による人気商品の不当な買い占めや高額転売を抑制する動きが、官民一体の多角的なアプローチで進んでいる。2次流通プラットフォームによる出品ルールの厳格化や、メーカーによる供給方法の見直しのほか、自治体による公式参入が相次ぎ、市場の健全化に向けた「包囲網」が形成されつつある。

 LYコーポレーションは2月から、運営する「ヤフー・フリマ」や「ヤフオク!」で、特定の人気ホビー商材を対象とした時限的な出品制限を導入した。新作ガンプラなどで「未開封」「発売直後」「市場価格との著しい乖離(かいり)」という3条件がそろった場合、発売から約3か月間は出品を制限する運用を開始。発売直後の過熱を利用した短期的な利ざや稼ぎを直接封じ込める狙いがある。

 最大手のメルカリも対策を加速させる。急増する海外購入者向けの取引で、中継倉庫での全品検品体制を標準化させた。また、国内向け取引でもスニーカーやブランド品、トレカ、ホビー用品など、偽造リスクの高い特定商材に限定した「あんしん鑑定」を本格運用を開始。専門機関が本物であることを保証する仕組みを整え、2次流通市場の透明性を高めている。

 メーカー側の供給体制も根本から変化している。バンダイスピリッツは、公式通販サイト「プレミアムバンダイ」での人気商品再販を、従来の抽選方式から「受注生産方式」へと大胆に切り替えた。手元に届くまでに3か月から1年程度の期間を要するものの、生産上限を設けず「希望者が必ず定価で入手できる」環境を構築した。転売市場でのプレミアム価格形成の動機そのものを消失させた。

 こうした動きは行政にも波及している。

現在、全国60以上の自治体が「メルカリShops」に公式出店し、不用になった備品の直接販売を拡大中だ。透明性の高い価格で販売することで、廃棄コストを削減しつつ、不透明な転売経路を遮断する役割を果たしている。流通関係の専門家によると、日本国内では、消費者が安心して適正な価格で商品を手に入れられることが最も重視される。今後も2次流通のあり方は、改善されていくと見ている。

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