アーティストの大江千里が、2026年夏、日本全国を巡るツアーを開催する。ニューヨークを拠点にジャズピアニストとして世界各地で活動を続ける大江にとって、4年目を迎える夏の日本ツアーは、新たな試みを加えた意欲的な展開となる。

 7月11日の北九州公演から、大江千里ソロコンサート2026「ふたつの宿題~黒画用紙ではりつめて~」が開幕。躍動感と叙情性を併せ持つ“千里JAZZ”が、全国の主要クラシック専用ホールを舞台に響き渡る。

 ツアーの大きな軸となるのが、全国各地の少年少女合唱団との共演。今夏は、珠玉のバラード「ふたつの宿題」を合唱とのコラボレーションで初披露する。さらに東京・サントリーホール公演では母校・関西学院グリークラブOB合唱団「東京新月会」、大阪、芦屋公演では関西学院ウィメンズグリークラブとの共演が実現。

 淡い夏恋の記憶を綴る作品「プールサイド」を演奏。切ない旋律に幾重もの歌声が重なり、大江のピアノとともに、時代を越えた響きの広がりを生み出す。ポップスのシンガー・ソングライターとして活躍した「一代目大江千里」、47歳で渡米しジャズピアニストとして再出発した「二代目」、そして今、ポップとジャズを自在に融合させる「三代目」へ――。その歩みの集積が、現在の音楽世界を形づくっている。

 合唱との共演について大江は、「子どもたちのまっすぐな歌声に触れるたび、音楽を始めた頃の純粋な興味を突きつけられる」と語る。「伸び盛りの命の響きとピアノが混じり合うと、世代を超えた大きな呼吸が生まれる」。その瞬間、会場は深い感動に包まれるという。

今回のツアーについては、「ブルックリンでの音楽との戯れを、そのまま曝け出す場所にしたい」とコメントした。

 40年前の自分からの“宿題”に、今の自分が新たな筆跡で答えを書き込んでいく。試行錯誤と発見が交錯するステージは、「文化祭前夜の教室のようなワクワク」に満ちたものになるはずだ。「ジャズなのにスタジアムのように、歌って、泣いて、笑ってほしい」。ジャンルを越えたエンターテインメントへの意志がにじむ。ジャズに没頭する中で一度は封印したポップスの要素。しかし削ぎ落とした先に残ったのは、「メロディと言葉を愛する自分」だった。

 「ジャンルの壁を壊し、これまでで最も自由な音を鳴らしたい」。その純粋な好奇心が、現在の大江千里を突き動かしている。終わりのない「宿題」に向き合い続ける音楽家の現在進行形。その答案は、2026年夏、日本各地のホールで鮮やかに描き出される。

 11日から一般チケット発売中。

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