バスケットボール◆B2リーグ第30節 福井ブローウィンズ93―78ベルテックス静岡(12日・このはなアリーナ)

 B2ベルテックス静岡が今季ホーム最終戦で福井に78―93で敗れた。今季限りで現役引退を表明しているPF加納誠也(37)が今季2度目のスタメン出場。

第4クォーターだけで3点シュート3発決め9得点をマークしてアリーナを沸かせた。

 加納が3人の子供たちの前で雄姿を見せた。チームに加入して6年目。ベルテックスに長く在籍したのは生まれつき心臓に疾患を抱える長男・大誠くん(8)の存在が大きかった。全国的に少ない「こども病院」がある静岡市のチームにこだわりがあったからだった。

 「正直、色々なところからオファーはもらった。でも、僕にとっては家族が一番だから」。プロバスケットプレーヤーとして単身赴任でプレーする選手も多くいるが、家族と一緒にいて「何かあった時」にすぐに対応できる環境面があることが、加納にとっては最優先事項だった。

 静岡市の「県立こども病院」には、長男が通院している縁で定期的に慰問している。小学生になった長男は今、バスケットにも興味を持ちだしたという。「正直、体のことは心配。でも、子供が興味を持ったことを摘むようなことをしたくない。

体がきつくなったら、すぐ座りなさいとは教えている。子供の成長をいつも見守られるように、近くにいたいんだよね」。引退セレモニーでは、長女とともに大誠くんからの手紙に涙を流した。「手を振るわせながら人前で話している姿を見て、純粋にうれしかったし、成長を見られて良かった」。コートとは違う優しい父親の顔になっていた。

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