◆JERAセ・リーグ 巨人2―0ヤクルト(12日・東京ドーム)

 悔しさはこれっぽっちもなかった。2点リードの7回1死。

カウント3―2から中山が投手方向へ打ち返したゴロが高く弾んで、中前へ抜けた。完全試合、ノーヒットノーランの可能性がなくなってもヤクルトの右腕・高梨裕稔投手は落ち込むことはなかった。「背が3メートルくらいあればいいなと思った」。気持ちを切り替えると続く泉口を遊ゴロに打ち取り、ダルベックを外角への145キロ速球で見逃し三振に仕留めて力強くガッツポーズ。「自然に出ました」と笑みを浮かべた。

 先発は今季3度目。前回5日の中日戦(神宮)は5回3分の1を投げて被安打7、4失点。「キャッチボール、ピッチングでフォームを微修正しました」。85球中、42球と半数を占めた最速149キロの速球で相手打線を押し込み、テンポよく投げ込んだ。無四球と制球も安定。6回まで1人の走者も許さず完全試合も視野に入れていたが「いつか打たれるだろうなと思いながら。周りのみんなはたぶん結構意識して、話しかけてこなかったりしてくれたんですけど」とベンチ裏を明かしてくれた。

 偉業は逃したものの、7回を被安打1、無四球、無失点の堂々たるピッチング。池山監督は「高めに抜けて一発を食らうことが多かったけど、きょうは真っ直ぐが走ってフォークボールの落ちもよかった」とたたえた。今季は開幕から先発ローテーション入りしたが、先発陣は好調。開幕から3戦目の初勝利に「1個勝ちがつくことによって勢いに乗れると思います。でも、勝ちよりはチームが勝つことが一番」とフォア・ザ・チームを誓っていた。

編集部おすすめ