プロボクシングのライト級で日本人初の世界王者となり、タレント・俳優としても活躍したガッツ石松(本名・鈴木有二=すずき・ゆうじ)さんが2日に肺炎のため都内の病院で死去した。76歳だった。

11日に所属事務所が発表した。

 必殺の「幻の右」でWBC世界ライト級王座を獲得し、両手を突き上げて喜ぶ姿から「ガッツポーズ」との言葉が広まった。引退後は数々のバラエティー番組、ドラマ・映画にも出演。「OK(オッケー)牧場」などユニークな発言でも人気者となった。葬儀・告別式は近親者で執り行った。

 ガッツさんは、昨年5月に空手家・佐竹雅昭のYou Tubeチャンネル「佐竹雅昭のオトナ覇王塾」に出演していた。

 「ガッツ石松氏 大いに語る!」と題し、佐竹と「週刊ゴング」「ゴング格闘技」「ワールド・ボクシング」各編集長を歴任した舟木昭太郎氏を相手に6回にわたり、生い立ちからボクサー時代、芸能界での活躍など自らの人生を語り尽くしていた。

 佐竹は12日にスポーツ報知の取材に応じ、ガッツさんの訃報に「本当に残念です」と声を落とした。

 You Tubeの撮影は昨年4月にガッツさんの練馬区内の自宅で行った。現役時代にガッツさんと面識はあったが「これほど、深い話ができるとは思いませんでした。お話をお聞きして私の印象は、高飛車なところは何ひとつもなく優しい人でした。そして、すべての言葉が勉強になりました」と振り返る。

そしてガッツさんをこう評した。

 「自分で自分のことをバカにできる方。言うなれば、わざと他人からバカにされることを逆に受け入れて自分の役割を徹した方。つまり、非常に頭がよくてクレバーな方でした。ボクサーを引退されて俳優でも評価されたのは、そういうことなんだと勉強になりました」

 印象に残った言葉がある。

 「人生の中で失敗してもおごってもらうことはしなかったとおっしゃっていました。とかく、我々の世界は、ごっちゃん体質な人がいますが、それが嫌いなんだとガッツさんはおっしゃっていました。自分の決めたことを貫く意志の強さを私は、すごいなと思いました。だから世界チャンピオンにまでなられて引退した後もタレント、俳優として名前を残された。ガッツさんは漢(おとこ)です」

 佐竹も現役時代は、空手家でありタレント、俳優としてテレビ、映画に出演した。

 「ガッツさんは、そうしたリングで闘った男がマスコミに進出する先駆者でした。一方で様々なことで大損をしたこともありましたが立ち直られた。

打たれてもはい上がるパワーがあった。その生きざまは、見本になります。もっとお話をお聞きしたいと思っていましたので残念です」

 佐竹は、1年前の対談で忘れられないガッツさんの表情がある。

 「別れ際に『OK牧場』と言っていただいた。あの言葉は生涯、忘れられません」

 ガッツさんがのこした不滅の「OK牧場」だった。

(福留 崇広)

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