松竹はこのほど、歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」(10月2~20日)の演目と7代目尾上菊五郎、片岡仁左衛門、尾上松緑、8代目尾上菊五郎、片岡愛之助ら主な出演者を発表した。

 第1部の歌舞伎三大名作の一つ「義経千本桜」の人気場面「川連法眼館(かわつらほうげんやかた)」では、8代目菊五郎が佐藤忠信実は源九郎狐、7代目尾上菊五郎が源義経を勤める。

狐の親子の情愛を描くことに重点を置いた音羽屋型で、心温まる物語を観客に届ける。片岡愛之助の「鯉つかみ」は明治座、博多座、大阪松竹座で好評を博してきたケレン味が魅力。歌舞伎座では初めて滝窓志賀之助実は鯉の精を勤める。

 第2部は時代物の大作「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」。主人公の佐々木盛綱はダブルキャストでの上演でAプロでは仁左衛門、Bプロでは8代目菊五郎が勤める。戦場で心ならずも敵同士となった佐々木盛綱・高綱兄弟の悲劇の物語。戦乱の悲情さ、兄弟の葛藤、親子の情愛を描く。仁左衛門が同作を演じた5月の大阪松竹座さよなら公演「御名残五月大歌舞伎」は”至高の舞台”として感動を呼んだが、その時以来5か月ぶりの短い間隔での再演となる。「山帰強桔梗」は坂東巳之助が、いなせな江戸っ子の様子を洒脱(しゃだつ)に踊る。

 第3部は「義経千本桜」から「渡海屋」「大物浦」で松緑が主人公・渡海屋銀平実は新中納言知盛を2012年の御園座以来、14年ぶりに演じる。渡海屋での颯爽(さっそう)とした姿から一転、大物浦では、復讐(ふくしゅう)の鬼となってすさまじい執念で義経に迫り、満身創痍(そうい)で繰り広げる大立ち回り、碇(いかり)を担いで入水する知盛の壮絶な最期は必見だ。中村壱太郎と尾上眞秀が艶やかに舞う「屋敷娘」では、眞秀が本格的な女形の踊りに挑戦。

「近江のお兼」では、壱太郎が、男勝りの美しい娘・近江のお兼にふんし、長い布晒(ぬのざらし)を使って華やかに踊る。

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