落語家の桂文枝が1日、母校・関大のKUシンフォニーホール(大阪・吹田市)で落語家60周年記念独演会全国ツアーの開催発表会見を行った。自身が1期生である同大学の落研(「落語大学」という名称)の2学年後輩もホールに駆けつけ、学生時代の文枝が「独裁政権」だったと暴露されるひと幕があった。

 会見を終えて、司会進行を務めた元NMB48のタレント・安部若菜と壇上で写真撮影に応じている時だった。客席にいた男性に83歳の文枝が「小辻さんも何かありますか?」と突然の“逆取材”を始めた。声をかけられた小辻信也さん(79)は「落語大学」で文枝の2学年後輩だといい「(当時の文枝は)独裁政権でした」と明かして報道陣を爆笑させた。

 シゴキの内容は例えば「阪急電車の中で正座をさせられました」。阪急千里線の関大前駅から天神橋筋六丁目駅まで、阪急電車内のロングシートを高座に見立てて「雨の降る日は天気が悪い」などの小咄(ばなし)をさせられていたという。「『度胸をつけるためのトレーニングでした。でも文枝さんも角帽かぶって一緒にやってましたよ」。何とも昭和らしいほのぼのとしたエピソードを披露。さらに「お母さんと2人で住んではった弁天町の汚いアパートにようお邪魔して、ごはんをいただいては牌をつまんでました」と青春時代を懐かしんだ。

 文枝も「(落語大学での)高座名は『浪漫亭(ろまんてい)ちっく』なので『ちっくさん、ちっくさん』と呼ばれてました」と応じた。そして当時を振り返り、生後11か月で亡くした父への思いも語った。

 「母ひとり子ひとりの家庭で、母は落語家になるのを初めは反対してました。

父は堅い銀行員だったので『何でこんな子が生まれたんやろ』と嘆いておりました。でも後に父の務めていた野村銀行の職場の人に聞くと『河村のおっさんはな、土日になると法善寺の花月で落語見て、月曜に銀行に来たら、開店するまで聞いた落語をやってくれる。オモロい人やったわあ。競馬も好きで、女も好きで』。母から聞いてのと全然違いました。父の分も生きていきたいと思って、この世界で頑張っていこうと思いました」

 ツアーは「KATSURA BUNSHI 60TH ANNIVERSARY TOUR 桂文枝独演会 ~咲かせて三枝、実らせて文枝~」と銘打って、以下の通り開催。追加公演も実施予定。

▼26年12月19日 兵庫・小野市うるおい交流館エクラ

▼27年1月9、10日 東京・有楽町朝日ホール

▼同年1月31日 兵庫・兵庫県立芸術文化センター

▼同年3月20日 愛知・御園座

▼同年5月2日 福岡・博多座

▼同年5月16日 福井・鯖江市文化センター

▼同年6月予定 滋賀・東近江市八日市文化芸術会館

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