梅雨入り前の暑さがすでに真夏並みという日もあり、今夏の暑さが今から懸念されるところだ。一条工務店の調査によると、昨年の夏、冷房器具を使っていた期間が6カ月以上という人が2割超もいたという。

睡眠時にエアコンを使用する人も多く、電気代が気になるという声も多いようだ。

【今週の住活トピック】
「夏の住まいの暑さ・湿気に関する意識調査2025」結果を発表/一条工務店

2割超が半年以上冷房器具を使用。特に暑いと感じる場所は寝室

調査結果を見ると、「昨年、冷房器具を合計で何カ月間使用したか」という問いに対して、「4カ月間」(25.3%)、「5カ月間」(24.3%)、「3カ月間」(18.8%)という結果になった。6カ月間以上という回答も2割を超え、長期間冷房器具を使用していたことがわかる。

■昨年、冷房器具を使用した期間(N=1369)

昨年は半年以上冷房器具を使用した人が2割超!暑くて眠れないけど電気代も気になる問題、今年はどうする?

出典:一条工務店「夏の住まいの暑さ・湿気に関する意識調査2025」

では、夏場に自宅で特に暑いと感じる場所はどこなのだろう? 調査結果を見ると、1位は「寝室」の20.6%で、僅差の20.2%で「リビング・ダイニング」が続いた。いずれも、長時間にわたって滞在する場所といえるので、長くいるからこそ、暑さが気になるのかもしれない。

「キッチン」(17.0%)は熱を使う場所で、「トイレ」(16.9%)は冷房器具がない場所なので、暑さを感じやすいということだろう。

■夏場、自宅内で特に暑いと感じる場所(n=1369)

昨年は半年以上冷房器具を使用した人が2割超!暑くて眠れないけど電気代も気になる問題、今年はどうする?

出典:一条工務店「夏の住まいの暑さ・湿気に関する意識調査2025」

さて、「寝室が暑い」となると、睡眠への影響が考えられる。「夏に、寝室が暑くてよく眠れないと感じることはあるか」という問いには、「暑くてよく眠れない」(「よくある」30.6%+「たまにある」44.2%)と74.8%が回答している。

では、睡眠時の暑さ対策はどうしているのだろう? 調査結果によると、1位「エアコンを使用」(82.5%)、2位「扇風機やサーキュレーターを使用」(45.9%)、3位「冷感寝具を使用」(32.8%)という結果になった。おそらく、複数の対策を組み合わせているのだろう。

■夏の睡眠時に実施している暑さ対策(n=1369) ※複数選択可

昨年は半年以上冷房器具を使用した人が2割超!暑くて眠れないけど電気代も気になる問題、今年はどうする?

出典:一条工務店「夏の住まいの暑さ・湿気に関する意識調査2025」

エアコンをつけっぱなしで眠ることが多いが、電気代を考えて我慢する?

一晩中、エアコンや扇風機などをつけ続けていると、気になるのは光熱費だろう。

調査結果では、夏の就寝時にエアコンを朝までつけっぱなしで寝る頻度は、「ほぼ毎日」という人が57.0%もいた。

また、頻度を問わず、エアコンをつけっぱなしで寝ることがある人に、「エアコンをつけっぱなしで寝るときに気になること」を聞くと、やはり「電気代」という回答が最多の63.1%になり、次いで、「のどや肌が乾燥する」(52.4%)、「身体が冷えすぎる」(44.2%)となった。

■エアコンをつけっぱなしで寝るときに気になること(n=1052) ※複数選択可

昨年は半年以上冷房器具を使用した人が2割超!暑くて眠れないけど電気代も気になる問題、今年はどうする?

出典:一条工務店「夏の住まいの暑さ・湿気に関する意識調査2025」

一方、「電気代を考慮して、エアコンをつけるのを我慢することがある」という回答も60.1%(「よくある」16.3%+「たまにある」43.8%)と多かった。寝室の暑さと冷房器具の使用、電気料金の上昇と、まさに三すくみの状態だ。

“光熱費を気にしてエアコンを我慢”はNG!

近年の夏は、猛暑続きだ。そのとき注意したいのは、熱中症だろう。今回の調査でも、「昨年の夏、自身や家族、ペットが自宅で熱中症になったことがある」(「自身」6.7%、「配偶者」3.4%、「子ども」3.2%、「親」2.5%、「ペット」0.9%)という回答が一定数あった。

政府なども、光熱費を気にして冷房器具を使わないことで熱中症になるリスクを抑えたいと考えている。政府は、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として、電力使用量が増加する7月、8月、9月の3カ月間について、電気・ガス料金支援を実施するとしている(経済産業省 資源エネルギー庁:電気・ガス料金支援)。

また、東京都では、夏の4カ月間程度で、都内すべての一般家庭の水道基本料金を無償にするとしている(東京都:令和7年度6月補正予算(案)について)。電気料金やガス料金は東京都の管轄外だが、水道の基本料金を無償化することで、水道光熱費全体が下がってエアコンが使いやすくなるという考えのようだ。

国などが費用的な支援をするということなので、真夏のエアコンは我慢せずに、命にかかわる熱中症対策は積極的に行ってほしいものだ。

さて、この調査では、「夏場に湿気が気になる場所」も聞いている。

浴室や脱衣所を抜いて、1位になったのは「寝室」(49.6%)だった。熱中症は、高温だけでなく多湿も影響する。寝室はそれだけ熱中症リスクの高い場所なのかもしれない。

寝室に限らず、室内に気温や湿度を測る機器を置いて、危険を感じたら冷房するということを、日常化したいものだ。電気代より命のほうが大切なのだから。

●関連サイト
一条工務店「夏の住まいの暑さ・湿気に関する意識調査2025」結果を発表

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