リクルートは、「SUUMO住みたい街ランキング2025 宮城県版/仙台市版」を発表した。住みたい街(駅)ランキング1位は、前回の2023年、前々回の2020年と同様、東北・宮城県・仙台市のアクセス・商業・ビジネスの要である「仙台」が、圧倒的1位。

住みたい自治体1位~4位は、2020年、2023年のランキングと同じ結果だ。安定して上位にランクインし続ける駅・自治体、順位の上昇が目覚ましい駅・自治体に着目し、なぜ宮城県民に支持されるのか、その理由を紹介しよう。

最新結果発表!宮城県全体、仙台市居住者が選ぶ「住みたい街(駅)」と 「住みたい自治体ランキング」

「SUUMO住みたい街ランキング2025 宮城県版/仙台市版」は、宮城県在住の20歳~49歳の男女を対象に行ったWEBアンケートで、2020年、2023年以来の実施・集計となる。

宮城県のすべての駅(200駅以上)を対象にした「宮城県 住みたい街(駅)ランキング」1位は、2020年より3回連続で仙台駅が1位。しかも得点は2位の2倍以上と大きく引き離している。(得点は、住みたい駅・自治体それぞれ住みたい順に3つまで回答、1番目を3点、2番目を2点、3番目を1点として集計した合計点)。

1位「仙台」、2位「長町」、3位「泉中央」、4位「名取」は、2020年、2023年と同じ結果になった。順位を上げた駅を見ると、9位の「北四番丁」は、前回2023年より1ランク、2020年からは3ランクアップ。12位「杜せきのした」は、2020年はランク外、2023年より10ランクアップ。また、東日本大震災で津波被害が大きかった「多賀城」、宮城県沿岸部の「石巻」「気仙沼」のランクアップに、復興の進捗(しんちょく)がうかがえる。

宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

仙台市居住者に聞いた「住みたい街(駅)ランキング」の1位、2位は上の宮城県全体と同じだ。上位10位以内を比べると共通の8駅のほか「五橋」「富沢」がランクイン。宮城県全体と同様、「北四番丁」がランクアップ。

仙台市地下鉄東西線の駅、11位の「卸町」、14位「連坊」、21位の「六丁の目」が順位を上げた。2020年にランク外だった名取市の仙台空港アクセス鉄道駅「杜せきのした」、「美田園」、仙台市青葉区西部にあるJR仙山線の「愛子」「陸前落合」も順位を上げた。

宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

「宮城県 住みたい沿線ランキング」の1位は変わらず「仙台市地下鉄南北線」。1987年7月開業(1992年7月に延伸全線開業)と「仙台市地下鉄東西線(2015年12月開業)」より27年以上早く開業し、仙台市の交通の利便性を高め市民の足として定着。北の副都心「泉中央」、南の副都心「長町南」を結び、沿線の近くに宮城県庁、市役所、区役所といった官公庁が多く集まる沿線だ。

「仙台市居住者 住みたい街(駅)ランキング」上位10位のうち6駅が仙台市地下鉄南北線沿線(「仙台」「長町「北仙台」は仙台市地下鉄南北線とJR東北本線と2路線以上が利用可能だ)。

宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

次に宮城県内の35市町村のうち、「住みたい自治体」の宮城県全体と仙台市居住者のランキングを見ていこう。1位は、2020年、2023年と同じ「仙台市青葉区」で、上位7位までは、「仙台市太白区」と「仙台市宮城野区」が2023年と順位が入れ替わったが、顔ぶれは変わらない。「塩竈市」は2020年以降の最高順位を更新し初のベスト10入り、やはり震災後の復興を感じる人が多いからだろう。

宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

仙台市居住者が選ぶ「住みたい自治体ランキング」も、上位5位は仙台市内の5区で、1位~7位は宮城県全体と順位が同じだ。2023年はランク外だった多賀城市は8位に復活した。

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次に、住民に支持されている駅と自治体を、街の魅力項目TOP10とともに見ていこう。

再開発で進化し続ける仙台市青葉区。不動の1位「仙台」は暮らす街としても高評価

「住みたい街(駅)ランキング 宮城県版/仙台市版」1位の「仙台」は、JR各線、仙台市地下鉄、バス、仙台空港アクセス鉄道と、県内の交通網が集まる要衝。通勤・出張・レジャー・日常の外出、どのアクセスも便利で、徒歩圏や自転車利用で日常のほとんどの用事が済み、足取りが軽やかになる。

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東北の玄関口にふさわしい、JR仙台駅西口駅前(画像提供/PIXTA)

JR仙台駅西口には、直結する駅ビルのS-PAL仙台本館・東館、ペディストリアンデッキでつながる仙台PARCO・PARCO2、仙台ロフトなど大型商業施設が集結。ファッションや雑貨のみならず、エキナカの店舗はデパ地下さながら食料品が充実し、デイリーで利用できる。医療施設、金融機関、教育施設、公共施設、グルメ、ホテル、オフィスを含む高層ビルなどが身近に充実。かつ自然が身近でイベントなど休日の楽しみも多く、活気がありながら静かな環境は、単身、DINKS、ファミリーを問わず暮らしやすいと評価されているのだろう。

■JR仙台駅東口の活性化が目覚ましい

仙台駅の顔として発展してきた西口に対し活性化が遅れていた東口は、JR仙台駅東西駅前広場の再整備、西口と東口を結ぶJR仙台駅東西自由通路の拡幅、JR仙石線の地下化、仙台駅東口開発計画などが進み、S-PAL仙台東館、ホテルメトロポリタン仙台イースト、JR仙台イーストゲートビルが次々開業、昨今は東北の玄関口にふさわしい整然とした都市に様変わりした。

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JR仙台駅の西口と東口を結ぶ東西自由通路。両脇にS-PAL仙台東館が誕生、中央部には植栽や曲線状のベンチ、イベントができるスペースも確保(画像提供/PIXTA)

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JR仙台駅東口の風景。右手が地下1階、地上13階建てのJR仙台イーストゲートビル(画像提供/PIXTA)

東口駅前から東へ宮城野通を直進すると、東北最大級の多目的ホール(最大2710席)の「仙台サンプラザホール」、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地「楽天モバイルパーク宮城」があり、コンサートやホーム試合の際は多くの人出がある。

2023年東口駅前に開業したヨドバシ仙台第1ビルは連結するヨドバシ仙台第2ビルと併せて、専門店、飲食店、スーパー、オフィスなどが入る大型複合施設となりにぎわう様子が、仙台駅東口の活況を象徴している。

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地下1階、地上12階建てのヨドバシ仙台第1ビル。2階~4階はヨドバシカメラマルチメディア仙台、ほかユニクロ、GU、オイシイもの横丁など(写真撮影/佐藤由紀子)

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■仙台市青葉区「せんだい都心再構築プロジェクト」

仙台市青葉区の都心部では、杜の都・仙台市の個性を活かしながら、新たなにぎわいと交流の創出、継続的な経済活力の創出、都心部の機能の強化を目的とする「せんだい都心再構築プロジェクト」8件を策定。第1号物件の「アーバンネット仙台中央ビル」は、低層階にコワーキングスペースなどを備え、2023年11月に竣工するなど、4件が完成済み。計画が発表されてから遅延し動き出していないプロジェクトもあるが、5年先、10年先の仙台駅周辺から約5km圏内の青葉区の都心部は、大幅な進化が予想される。

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東二番丁通りに竣工した地上19階建ての「アーバンネット仙台中央ビル」。低層階「YUI NOS(ゆいのす)」にはコワーキングスペース、高機能なシェアオフィスなど(写真撮影/佐藤由紀子)

仙台市青葉区で順位を上げた「北四番丁」は、官公庁・オフィス街やショッピング街の一番町、緑豊かな定禅寺通、教育施設が充実する文教エリアで知られる上杉地区、東北大学病院周辺のメディカルエリアにも近く、都心に近接しながら穏やかな住環境が広がる。

宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

4列のケヤキ並木の新緑、紅葉が美しく、光のページェントなど四季折々のイベントの舞台にもなる杜の都・仙台を象徴する定禅寺通(画像提供/PIXTA)

また勾当台・定禅寺通エリアは「せんだい都心再構築プロジェクト」の「新たな賑わいと交流を創り出す都心」の要所で、仙台市役所本庁舎の建て替え(工事中)、勾当台公園と定禅寺通の再整備が計画されている。また、約9haの「東北大学雨宮キャンパス跡地」には、2024年に仙台厚生病院が移転・開院し、「イオンモール仙台上杉」が2025年秋に開業予定。「職・学・遊・住」の機能がバランスよく整い、将来性も期待できる街だ。

住みたい街(駅)ランキング連続2位の「長町」と6位の「長町南」。新旧が入り交じる多彩な表情が魅力の街

仙台市は、2022年度から仙台市南部の中心地である「南部拠点地域」の活性化に取り組んでいる。その核となるのがJR長町駅周辺だ。

長町は江戸時代に奥州街道に宿場町として開かれた場所で、JR、地下鉄、東京方面への高速バスが停車し、仙台空港へのアクセスも便利で、幹線道路も充実するなど、交通利便性が高い。

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JR仙台駅へJR東北本線で1駅約5分のJR「長町駅」。改札を出てすぐ目の前にショッピングモール「tekuteながまち本館」、東口前に「tekuteながまち2」が加わり、仕事帰りの買い物も便利(画像提供/PIXTA)

長町エリアは大きく3つに分かれ、青果店、豆腐店など顔が見えるレトロな個人商店が軒を連ねる長町商店街がある「長町」エリア、ザ・モール仙台長町に直結する仙台市地下鉄南北線「長町南」駅周辺の「長町南」エリア、JR東北本線の長町駅・太子堂駅の東側に大型店舗や公園などを計画的に配した「あすと長町」だ。

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地下鉄「長町南駅」に直結する「ララガーデン長町」。アカチャンホンポ、コナミスポーツクラブ、仙台市子育てふれあいプラザ「のびすく長町南」などが入る(画像提供/PIXTA)

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仙台市南部拠点の中核地区として市民、企業、権利者、行政が協同でまちづくりを行った「あすと長町」の整然とした街並み(画像提供/PIXTA)

「長町」の街の魅力(住みたい理由)調査では、総合病院の仙台市立病院をはじめ、個人病院が点在し、医療施設の充実の評価が高い。「長町南」は高い順位の魅力項目が揃い、駅周辺の大型商業施設など、各種施設の充実ぶりを魅力と感じる人が多い。

宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

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宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

かかりつけ医と連携・協力して地域医療を支援し、救急医療、高度医療を提供する仙台市立病院。院内には、仙台市夜間休日こども急病診療所、救命救急センターを備える(画像提供/PIXTA)

買い物施設の評価が高いのは、ザ・モール仙台長町、ララガーデン長町、IKEA仙台、ヤマダ電機などの大型店舗やヨークベニマルやみやぎ生協といったスーパーが充実しているからだろう。同様に魅力的な運動施設の評価の背景には、文化・娯楽施設は、仙台89ERSのホームアリーナ「ゼビオアリーナ仙台」、khb東日本放送ぐりりスポーツパーク、MOVIX仙台、複合施設「たいはっくる(太白図書館、長町児童館など併設)」などが考えられる。

宮城「住みたい街ランキング2025」、1位は仙台駅・仙台市青葉区! 穴場・注目の街は多賀城市・名取市

長町ターミナル駅跡地の再開発で誕生した地下鉄南北線「長町駅」直結の官民複合施設の「たいはっくる」。太白区の図書館、文化センター、中央市民センター、長町児童館が併設されている(画像提供/PIXTA)

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あすと長町中央公園は1.7haの広い敷地内に遊歩道、芝生広場、バスケットコート、複合遊具、野外ステージが整備され、親子で遊べる憩いの場(画像提供/PIXTA)

長町は広瀬川、あすと長町中央公園、ララガーデン長町内の「のびすく長町南(子育てふれあいプラザ)」が身近で、子育てファミリーも暮らしやすい。大小、新旧、都市と自然、さまざまな顔が入り交じるバラエティー豊かな街だ。

また、仙台市太白区で注目されているのが、自然と温泉に恵まれた秋保地域だ。メディアに取り上げられるグルメスポットやオシャレなショップ、クラフトビール醸造所「グレート デーン ブリューイング」、秋保ワイナリー、秋保ヴィレッジなどが次々誕生、多様な手しごとに取り組む人たちが集まる「秋保クラフトバレー」など、街の色があり話題に事欠かないのも、順位を上げた理由のひとつか。

住みたい自治体、住みたい駅でも注目される史都「多賀城」。駅前にある複合図書館は県内でも羨望の的

「宮城県 住みたい街(駅)ランキング」で2020年はランク外だったが、2023年は12位、今回は11位と順位を上げているのがJR「多賀城」駅だ。「仙台市居住者 住みたい自治体ランキング」でも前回のランク外から8位に復活している。

多賀城市は奈良時代に国府として栄えた歴史のまち。仙台市の北東に隣接し、県立「東北歴史博物館」や全国屈指の音響を誇る「多賀城市文化センター」に遠方から足を運ぶ人も少なくない。724年、東北地方の政治・文化の中心地として創建された多賀城は、2024年に創建1300年の節目で多くの記念行事が行われた。また、2024年に多賀城碑が国宝に指定、2025年4月には多賀城外郭南門が復元され、多賀城跡ガイダンス施設が開設した。

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「国府多賀城」の入口に当たる重要な施設で高さ14.5mの二重門の多賀城南門と併せて両脇の高さ5mの築地塀も復元された(画像提供/PIXTA)

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2024年に国宝に指定された多賀城碑(壺碑(つぼのいしぶみ))は、多賀城の創建の年などを伝える歴史的資料で、日本三大古碑のひとつ(画像提供/PIXTA)

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街の魅力項目の「魅力的な図書館、落ち着いて仕事ができる施設がある」が1位。JR多賀城駅前と立地が良い「多賀城市立図書館」は、「東北随一の文化交流拠点」を目指す整備の中心として、2016年に多賀城駅前に移転・リニューアル。蔦屋書店、カフェ、レストラン、時間制カフェラウンジ&コワーキングスペース「SHARE ROUNGE多賀城」などが融合し、「市民が暮らし、集う家」をコンセプトにした館内は居心地が良い。

「近くにこんな図書館があったら……」という声が聞こえてきそうだ。

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年中無休、21時30分まで開館の多賀城市立図書館。キッズライブラリー、キッズテラス、学習スペース、ギャラリー、SHARE ROUNGE多賀城はイベントも多数(画像提供/PIXTA)

雰囲気やセンスのいい飲食店や個人商店がある、という項目の評価も高い。人口が6万1757人(2025年6月30日現在)と規模の小さい都市ながら、例えば、焼きたて菓子とカフェの「Ten coffee and bake」、英国のアンティーク家具に囲まれた「Antique Café OLDTIME」、スピーカーが自慢の本格Jazz喫茶「Paragonian(パラゴニアン)」など周辺自治体からも知られた店があるからだろうか。

現在は、多賀城市役所のエントランス棟が交流拠点として機能できるよう増築中(2026年6月に使用開始予定)。多目的グランドやサッカー場、あやめ園がある「多賀城市中央公園」には県内初のパークPFIによるスケートボードパークとカフェが2026年に開園予定。さらに11.4haの東北学院大学多賀城キャンパスの跡地は今後多賀城市と民間企業によるまちづくり、スポーツ施設(体育館、プールなど)の建設予定があり、今後も楽しみが続き、新しさと歴史が共存する街となりそうだ。

仙台市に次ぐ住みたい自治体は「名取市」。住みたい駅でランク急上昇の「杜せきのした」「美田園」

宮城県全体、仙台市居住者ともに「住みたい自治体ランキング」で仙台市5区に次いで6位が、仙台市の南に隣接するベッドタウン、名取市。アクセスの良さ、コスパが良い飲食店や個人商店が1位、大規模施設、自治体の子育て施策サービスが2位と評価が高く、ファミリーが暮らしやすい街だ。

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「杜せきのした」「美田園」は、仙台空港アクセス線の隣接駅で、同鉄道を利用して仙台駅や空港に直結し、通勤や出張、レジャーの足もスムーズだ。2020年には両駅ともに「住みたい街(駅)ランキング(宮城県全体、仙台市居住者)」でランク外だったが、「杜せきのした」は2023年より10位以上アップ、「美田園」もランクを上げた。それぞれの魅力を見ていこう。

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杜せきのした駅南口。2階でイオンモール名取につながり、雨の日も濡れずに行ける。日常からオフまで、ワンストップでショッピングが楽しめる(画像提供/PIXTA)

魅力的な大規模商業施設の評価が高いように、「杜せきのした」駅は約240の専門店と映画館「イオンシネマ名取」がある「イオンモール名取」に直結。2025年に「子どもたちの笑顔が生まれるモール」をコンセプトに大規模リニューアル。アクロスプラザ杜せきのした(トイザらス、やまや、たきた歯科、洋服の青山など)も身近だ。イオンモール名取内に名取市が運営する県内最大級の子どもの無料屋内遊戯施設「なとりぱーく(予約制)」がオープンし、小児科や子どもに優しい歯科や保育施設も近く、子育て環境が充実している。

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「杜せきのした」駅南側。「杜せきのした」も「美田園」も、駅から少し離れると、大きな空とのどかな田園風景が広がり、心が安らぐ(画像提供/PIXTA)

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「美田園」街の魅力項目を見ると、整然とした街並み、田園風景が広がり、自然豊かで広い公園が充実し、高層ビルが連立する都心とは違うのびのびとした安らげる雰囲気があることから、「閑静」「愛着が持てる」と感じる人が多い。また、駅前の横断歩道を渡ってすぐの所にある、宮城県が運営する教育と医療、福祉の複合施設「まなウェルみやぎ」は中央児童相談所、子ども総合センター、総合教育センター、通信制の美田園高等学校、宮城県子ども総合センター附属診療所(子どもメンタルクリニック)、障がいがある方向けのリハビリテーション支援センターなどを擁し、発達支援や育児相談をワンストップで受けられる。

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仙台駅より仙台空港アクセス線(鉄道)に乗車して6駅・20分、仙台空港駅へは1駅・約4分の美田園駅。大型商業施設が誕生し、周辺の景色が刻々と変わりそうだ(画像提供/PIXTA)

2025年6月、駅前にウジエスーパーやニトリ、ダイソーなどが入店する大型複合商業施設「オルフィーカ美田園」が完成、隣接地に新規の分譲マンションが建築中(2026年2月竣工予定)。

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美田園エリアには、美田園風の音公園、美田園雷神塚公園、美田園四季の公園、美田園中央公園など、整備された広い公園があり、小さな子どもの遊び場や憩いの場に事欠かない(撮影/佐藤由紀子)

宮城県民、仙台市住民が選んだ「SUUMO住みたい街ランキング2025 宮城県版/仙台市版」の順位と注目度の高い街を紹介した。ランキングは2020年、2023年と比べて大きく変わらないが、今後の発展が期待できる再開発プロジェクトや駅周辺の大型複合施設、仙台市のベッドタウンが注目されていることと、東日本大震災で甚大な被害を受けた街のランクがじわじわと上昇していることだ。

このランキングを、ひとつの目安として参考にしていただければ幸いだが、人と街の相性はさまざまで、数値では計れないものだ。価値観や生き方、働き方が多様化し、住みたい自治体、住みたい街(駅)も、どんな仕事の仕方、生活、生き方をしたいか、バランスを考え、個人のしこう「思考、至高、嗜好」に沿って相性のいい街を選ぶのがベストではないだろうか。

●関連ページ
SUUMO住みたい街ランキング2025 宮城県版

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