「100年に一度」といわれる大規模再開発が進む渋谷駅。商業・文化施設に若者が集う流行の発信地として名をはせ、2000年代以降はIT企業をはじめとするビジネスの集積地としても発展してきた街は、さらなる進化の途上にある。
渋谷駅まで電車で30分以内の家賃相場が安い駅TOP15(19駅)
順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/渋谷駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 読売ランド前 6万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/29分/2回)
2位 生田 6.1万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/27分/2回)
3位 狛江 6.7万円(小田急小田原線/東京都狛江市/22分/2回)
4位 和泉多摩川 6.9万円(小田急小田原線/東京都狛江市/24分/2回)
4位 久地 6.9万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/23分/1回)
4位 向ヶ丘遊園 6.9万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/23分/1回)
7位 戸田 7.18万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/30分/0回)
8位 菊名 7.2万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/27分/0回)
8位 喜多見 7.2万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/20分/2回)
8位 つつじヶ丘 7.2万円(京王線/東京都調布市/26分/1回)
11位 武蔵浦和 7.23万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市南区/28分/0回)
12位 戸田公園 7.3万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/27分/0回)
12位 登戸 7.3万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/21分/1回)
12位 日吉 7.3万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/21分/0回)
15位 梶が谷 7.5万円(東急田園都市線/神奈川県川崎市高津区/21分/1回)
15位 新川崎 7.5万円(JR湘南新宿ライン/神奈川県川崎市幸区/19分/0回)
15位 成城学園前 7.5万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/18分/1回)
15位 綱島 7.5万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/25分/0回)
15位 三鷹台 7.5万円(京王井の頭線/東京都三鷹市/24分/1回)
※20位以降は記事末に掲載
渋谷駅に加えて新宿駅までも30分以内、狙い目は小田急線沿線の駅!
今回調査したのは、渋谷駅まで30分圏内にある駅の一人暮らし向け賃貸物件(駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場。最も安かったのは神奈川県川崎市多摩区にある小田急小田原線・読売ランド前駅で、家賃相場は6万円。小田急小田原線の通勤準急で登戸駅(12位・家賃相場7万3000円)に出てから快速急行に乗り換えて下北沢駅へ、さらに京王井の頭線に乗ると渋谷駅まで計約29分で到着する。

1位 読売ランド前駅(画像/PIXTA)
1位・読売ランド前駅の北側には丘陵地があり、すそ野を囲むように住宅街が広がっている。線路をはさんだ駅南側も住宅街で、商店が多いのはこちら側。100円ショップ併設のスーパーをはじめ、コンビニ、ドラッグストア、ハンバーガー店や持ち帰り専門のとんかつ店といった、日常的に活用できる商店がそろっている。駅名の由来になった遊園地「よみうりランド」は、駅前からバスに乗って10分ほど。その周辺にはプールや日帰り温泉施設もあるので、休日に訪れても楽しいだろう。
2位は神奈川県川崎市多摩区にある生田(いくた)駅で、家賃相場は6万1000円。1位・読売ランド前駅から登戸方面に1駅目という立地で、1位と同様のルートを通って渋谷駅までは計約27分だ。
3位には東京都狛江市にある小田急小田原線・狛江駅が、家賃相場6万7000円でランクイン。2駅先の成城学園前駅(15位・家賃相場7万5000円)から小田急小田原線の通勤急行で下北沢駅に出て、京王井の頭線に乗り継ぐと渋谷駅までは計約22分でたどり着く。狛江駅の高架下には商業施設「小田急マルシェ狛江」があり、1年ほど前にリニューアル。食品店やドラッグストア、飲食店、書店など20店舗が営業中で、昨年のリニューアル時には憩いの空間「コマノワテラス」も誕生している。また、北口駅前にスーパー「Odakyu OX」全店で最大の売場面積を誇る狛江店があるのも便利なところ。スーパーのみならず、家電専門店や100円ショップ、ライフスタイルショップに衣料品店まで、4フロアに28店のテナントがひしめいている。ほかにも駅周辺には飲食店が立ち並び、市役所も徒歩5分ほどという暮らしやすそうな街並みだ。

3位 狛江駅(画像/PIXTA)

3位 狛江駅の北口駅前にあるスーパーOdakyu OX(画像/PIXTA)
ここまで見てきたトップ3を含め、同額4位の和泉多摩川駅・向ヶ丘遊園駅(家賃相場6万9000円)、8位の喜多見駅(同7万2000円)、12位の登戸駅(同7万3000円)、15位の成城学園前駅(同7万5000円)と、トップ15(19駅)には小田急小田原線から8駅もランクインしている。いずれの駅も調査条件である「渋谷駅の30分圏内」をクリアしているだけでなく、小田急小田原線の起点駅である新宿駅までもそれぞれの駅から16分~24分ほどで行くことができる。渋谷駅と並ぶ都内屈指の繁華街・新宿駅までのアクセスの良さも重視しつつ、安く住める街を探したいなら小田急小田原線沿線は要チェックといえるだろう。
乗り換え0回なら戸田駅、横浜へもよく行くなら東急東横線沿線に注目を
ランキング上位は家賃相場が6万円台である一方、渋谷駅まで2回の乗り換えが必要な駅も多い結果となった。乗車時間が30分以内であっても、通勤・通学ラッシュの時間帯にたびたび電車を乗り降りするのが面倒に感じる人もいるかもしれない。そんな人は、渋谷駅まで乗り換え0回で行ける駅に注目したい。トップ15には渋谷駅に乗り入れているJR埼京線、東急東横線、JR湘南新宿ライン、東急田園都市線の沿線にある駅が8駅ランクインしている。15位の東急田園都市線・梶が谷駅は各駅停車と急行を乗り継ぐ「乗り換え1回・約21分」という最短所要時間のルートをランキングに記載しているが、各駅停車1本でも渋谷駅まで23分~26分ほどで行くことが可能だ。

15位 梶が谷駅(画像/PIXTA)
そんな乗り換え0回の駅のなかで、家賃相場が最も安いのはJR埼京線・戸田駅。家賃相場7万1800円で7位にランクインしている。埼玉県戸田市に位置し、JR埼京線に乗って渋谷駅までは約30分。渋谷方面に1駅目が12位・戸田公園駅(家賃相場7万3000円)で、両駅ともに渋谷駅の手前に位置する池袋駅や新宿駅へも30分以内に到着できる。

12位 戸田公園駅(画像/PIXTA)
こうしたアクセス環境のよさから、7位・戸田駅の周辺には東京のベッドタウンとして重宝される住宅街が広がる。駅東口から東へ15分ほど歩くと戸田市役所に着く、市の中心地でもある。市立中央図書館や市のスポーツセンターといった公共施設のほか、商業施設も豊富。
ランキングトップ15の19駅には、ほかにも特徴さまざまな駅が並んでいる。渋谷駅までのアクセスの良さはもちろん、なるべく都心部の近くに住みたいと考えるなら東京23区内に位置する8位・喜多見駅(家賃相場7万2000円)や15位・成城学園前駅(同7万5000円)が選択肢に上るだろう。また、渋谷駅にも横浜駅にも訪れやすいことを魅力に感じるなら、両駅を結ぶ東急東横線沿線の8位・菊名駅(同7万2000円)、12位・日吉駅(同7万3000円)、15位・綱島駅(同7万5000円)という候補もある。

15位 成城学園前駅(画像/PIXTA)
「とにかく家賃の安さ重視」なら読売ランド前駅が住まい探しの第一候補になるし、「家賃の安さと所要時間の短さの両立」ならば渋谷駅まで約18分の15位・成城学園前駅が第一候補に浮上するだろう。「渋谷まで30分圏内」といっても各々の求めるものによってランキングの見え方も変わってくる。まずは自分のこだわりや条件を整理することが、満足ゆく住まい探しへの近道といえるかもしれない。
●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている渋谷駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2024/12~2025/5
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2025年5月26日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載
●渋谷駅まで電車で30分以内の家賃相場が安い駅
20位~45位
