2025年の流行語に選ばれるほど注目された、日本の「二季」。一気に寒くなり、短い秋から冬に駆け込みそうな勢いを表している。

そうなると、気になるのは自宅内の寒さ。7割以上の人が「暖房をつけても、なかなか部屋が暖まらない」、「冬の寒さが原因で、睡眠の質が下がると感じた」という調査結果が出た。自宅内の寒さは深刻な問題のようだ。

【今週の住活トピック】
「冬の自宅内の寒さ・乾燥対策に関する意識調査 2025」結果発表/一条工務店

冬の寒さで部屋がなかなか暖まらない、暖房を我慢すると約7割が回答

一条工務店が、「冬の自宅内の寒さ・乾燥対策に関する意識調査 2025」を実施した。「暖房をつけても、なかなか部屋が暖まらないと感じることはあるか」と尋ねると、「よくある」が37.3%、「ある」が36.1%で、合わせて73.4%が、部屋がなかなか暖まらないと感じていた。

また、近年の光熱費高騰の影響か、「光熱費を考慮して、暖房をつけるのを我慢することがある」と68.9%(「よくある」27.2%+「ある」41.7%)が回答した。暖房費を抑える工夫としては、「重ね着をするなど服装で調整した」(38.5%)、「暖房の使用時間を減らした」(38.1%)などが挙がった。

次に、「冬場、自宅内で寒いと感じる場所はどこか」と尋ねると、1位「脱衣所」(53.6%)、2位「浴室」(43.3%)、3位「玄関」(43.0%)という結果になった。一般的に暖房設備が設置されていない場所で、寒さを感じるようだ。

約9割が重視する断熱。健康リスクと睡眠の質低下を招く自宅の寒暖差対策にリフォーム、2026年に展開される新しい補助金制度とは

出典/一条工務店「冬の自宅内の寒さ・乾燥対策に関する意識調査 2025」より転載

今後住宅を買う・リフォームするなら断熱性・気密性を重視したい

暖房のある所とない所で寒暖差が生じると、「ヒートショック」のリスクが高まる。自宅内の寒暖差は、快適さだけでなく健康上の問題になるのだ。

そうしたことからか、「今後、住宅を購入またはリフォームする場合、断熱性や気密性をどの程度重視するか」と尋ねると、「最も重視する」(42.2%)、「やや重視する」(50.7%)、合わせて92.9%と極めて高い割合で重視するという回答になった。

約9割が重視する断熱。健康リスクと睡眠の質低下を招く自宅の寒暖差対策にリフォーム、2026年に展開される新しい補助金制度とは

出典/一条工務店「冬の自宅内の寒さ・乾燥対策に関する意識調査 2025」より転載

自宅内の寒暖差は、これだけにとどまらない。「冬の寒さが原因で、睡眠の質が下がると感じたことはあるか」と尋ねたところ、「よくある」が31.2%、「ある」が40.2%となり、かなりの人が寒さは睡眠の質を下げたと感じていることが分かる。

約9割が重視する断熱。健康リスクと睡眠の質低下を招く自宅の寒暖差対策にリフォーム、2026年に展開される新しい補助金制度とは

出典/一条工務店「冬の自宅内の寒さ・乾燥対策に関する意識調査 2025」より転載

冬に気になるのは寒さだけじゃない!自宅内の乾燥も気になる

冬場に気になっているのは、自宅内の寒さだけではなく、乾燥も気になっているようだ。

「冬場、自宅内の乾燥が気になることはあるか」と尋ねると、「よくある」(50.2%)、「ある」(36.7%)、合わせて86.9%の人が、乾燥が気になると回答した。

乾燥が気になると回答した人に、「自宅内が乾燥していると気になること・困ること」について尋ねてみると、「肌の乾燥」(68.8%)、「喉の痛み」(58.9%)、「風邪をひきやすくなる」(40.2%)が上位に挙がった。

約9割が重視する断熱。健康リスクと睡眠の質低下を招く自宅の寒暖差対策にリフォーム、2026年に展開される新しい補助金制度とは

出典/一条工務店「冬の自宅内の寒さ・乾燥対策に関する意識調査 2025」より転載

ちなみに、自宅の乾燥対策として挙がったものは、「加湿器を使用する」(49.2%)、「洗濯物を室内に干す」(41.5%)、「濡れタオルを干す」(25.7%)など。

寒さ対策の省エネリフォームには補助金が利用できる

9割以上が「今後、住宅を購入・リフォームする場合、断熱性や気密性を重視したい」と回答したが、購入やリフォームにはコストもかかる。建築工事費用の上昇などのコストを気にして、寒い自宅で我慢すると考える人もいるかもしれない。

2025年の年末まで(または予算上限に達するまで)は「子育てグリーン住宅支援事業」により、省エネ性の高い住宅の新築・購入と省エネ性を高める既存住宅のリフォームに対して、補助金が出た。これからリフォームなどを検討しようという人には、間に合わない補助金制度だが、心配には及ばない。

新たな補助金制度「みらいエコ住宅2026事業」が閣議決定した。正式には、国会で令和7年度補正予算の成立後に決定となるが、これまでの経緯を見ると実施されると見てよいだろう。

この記事では詳しい条件などの説明は省くが、住宅の新築(注文住宅・分譲住宅など)では、省エネ基準として次に義務化されるであろう「ZEH水準」と次の次の省エネ基準になるであろう「GX志向型住宅」など、省エネ性の高い住宅について補助金(35万円~110万円/戸)が用意される。

また、リフォームについては、既存住宅の省エネ性能およびリフォームで引き上げる省エネ性能のレベルによって補助額が変わり、40万円~100万円/戸が上限額となる。

■みらいエコ住宅2026事業の補助額

約9割が重視する断熱。健康リスクと睡眠の質低下を招く自宅の寒暖差対策にリフォーム、2026年に展開される新しい補助金制度とは

国土交通省「みらいエコ住宅2026事業の概要資料」より抜粋転載

自宅内の寒さを我慢して暮らすと、快適に暮らせないばかりでなく、ヒートショックのリスクや睡眠の質の低下などの問題も生じる。

住宅の断熱性や気密性を高めると、暖房や加湿の効果が高くなるので、これからの住宅では、省エネ性能について注目してほしい。

●関連サイト
一条工務店「冬の自宅内の寒さ・乾燥対策に関する意識調査 2025」

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