1年を代表するリノベーション作品を決めるリノベーション・オブ・ザ・イヤー。13年目となる2025年の授賞式が12月11日に開催されました。

応募社数77社、206のエントリー作品の中から選び抜かれた総合グランプリをはじめ、各受賞作から「リノベーションの今」を読み解きます。

リノベの多様化がさらに“多様”に

ここ十数年、リノベは多様化しているとずっと言われてきましたが、今年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーではさらなる多様化が進んでいることが見て取れました。「多様化がさらに“多様”になっている」「劇的に深化している」という選考委員の言葉からもうかがえるように、リノベーションのバリエーションがさまざまな方向へ拡大しているようです。

施主がつくり手として参加するDIYから、プロの手による洗練された買取再販、さらには建築費・人件費高騰の課題をクリアのための工夫まで。

趣味や好みに全振りのリノベをする人が増え、かつてはそれほど見られなかったシングル女性の戸建てリノベなどにも注目が集まりました。それは、日本人の生き方が多様化していることの表れでもあります。

人の暮らしを快適にするのがリノベの宿命。だからこそ、「家はこうでなければならない」という既存概念を飛び越えて、一人一人、一軒一軒に寄り添う形でリノベが進化し、多様化してきたのでしょう。

多彩な手法で成し遂げられた今回の受賞作品を、注目ポイントごとに紹介します。

【注目point1】DIYリノベでつくり手が多彩になる!

資材費・人件費の高騰、職人不足、SDGs(持続可能な開発目標)への意識から、「既存を最大限に生かす」流れが加速しています。その象徴的な作品が、総合グランプリを受賞した【人間は、つくることをやめない】(合同会社つみき設計施工社)でしょう。

「DIYリノベ」は2010年代にブームのような盛り上がりを見せ、その後存在が薄れていましたが、建築費高騰だけでなく職人不足も相まって、見直される時期が来ているのではないかと注目されました。「つくることはプロの特権ではなく、誰にでも開かれた行為」だと、100人を超える多様なつくり手を登場させたのが、この作品。

さらに無差別級部門 最優秀賞の【未踏の集落リノベーション、月見台住宅*】においても多数の参加者によるDIYリノベという手法が取られました。

●総合グランプリ
【人間は、つくることをやめない】
合同会社つみき設計施工社

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

家族・仲間の個性や多様性が表現されたワクワクする内装(写真提供/合同会社つみき設計施工社)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

数カ月に及ぶ期間、100人以上の仲間とDIY(写真提供/合同会社つみき設計施工社)

【人間は、つくることをやめない】は、自宅でアート教室を主催する施主が仲間とともに、築50年超の自宅をつくり変えた作品。断熱工事や壁を抜くなどの間取り工事はプロが担い、それ以外の内装解体、研磨、塗装や造作、塀や樹木の撤去までを施主夫妻と100人以上の仲間が手がけたそうです。

担当のつみき設計施工社は「参加型リノベーションを専門とする工務店」と自称し、2010年の創業から「ともにつくる」を理念にDIYリノベーション事業を展開しています。ただ、この作品は単に「みんなで楽しくDIYリノベ」という範疇(はんちゅう)にとどまらず、日本の近代住宅史に照らしても非常に示唆に富む作品です。

1971年登場の「セキスイハイムM1」は、日本の工業化住宅を象徴する鉄骨ユニット工法の先駆けであり、住宅需要急増に対応するため、安定品質と短工期、低コストを可能にした画期的な住宅でした。工場で生産された2.4m×5.6mの箱型ユニットを輸送し、現場で組み立てるという工法は、熟練の職人を必要とせず、住宅から人の関与を最小にするシステムのようにも見えます。しかし本来のM1は、住み手の創造性や生活によってユニット内を自由に変えていく余白のある器として構想されたものでした。

そうした余白のある器に、施主夫妻や仲間たち100人超が数カ月にわたって手を入れ、真っ白いキャンバスに個性が花開く。「つくり手が多様なら、リノベはますます面白くなる」との言葉通り、その自由さや多様性を受け入れ、支え続けたつみき設計施工社さんの覚悟も見事に花開きました。

●無差別級部門 最優秀賞
【未踏の集落リノベーション、月見台住宅*】
株式会社エンジョイワークス

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

「山の上の孤島」と呼ばれた横須賀の丘の上の立地。2020年には全て空き家となり、荒廃が進んでいたそうです(写真提供/株式会社エンジョイワークス)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

DIYイベントも投資家や入居者など誰もが参加できるカルチャーとして広がり、「共につくる体験」が積み重ねられています(写真提供/株式会社エンジョイワークス)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

クラフト工房や発酵食品店、カフェなどの商店が続々誕生。今や人々を惹きつける秘境感あふれる舞台へと変貌しました(写真提供/株式会社エンジョイワークス)

【未踏の集落リノベーション、月見台住宅*】は、築65年超、58戸の木造平屋の市営住宅を丸ごと店舗併用住宅群に生まれ変わらせた大プロジェクト。

不動産投資型クラウドファンディングを組成し、367組の投資家が参加。入居者だけでなく投資家自身がDIYイベントに参加し、利回りだけでなくDIYや街づくりに参加する楽しさを得られるようにした仕組みが高く評価されました。

古い団地や公営住宅などの空き家問題は、規模が大きいだけに解決するのが難しいと考えられていますが、クラファンやDIYイベントなど多人数参加型の解決手法が示され、店舗併用型住宅の入居者が情報発信することで、人を惹きつける場へとなっています。

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【リノベの多様化point2】買取再販物件の洗練

買取再販物件とは、リノベーション会社が中古物件を購入し、価値や魅力を高めるリノベを施して、再販売する物件のこと。どんな住み手がどう暮らすのか未確定なので、一般的には、万人受けしそうな画一的なリノベ内容になりがちという面もあります。

しかし、10年前には6件だった買取再販物件の入賞(ノミネート)作品が、今回は12作品と倍増していることから、魅力を感じさせる買取再販の作品がどんどん増えていることがうかがえます。なかでも、受賞した2作品【わたしのための、パブリックスペース】【時をかける部屋 リノベ再販だからこそ愛着が持てる住まいへ】は「洗練の域」と評価を受けました。

●1500万円未満部門 最優秀賞
●PLAYERS CHOICE AWARD
【わたしのための、パブリックスペース】
株式会社コスモスイニシア

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

旧岩崎邸庭園の緑を愛でられる大きな窓が印象的。マンション特有の室内側に出た柱や梁をカバーするように木壁や棚でしつらえて、戸建てのような邸宅感ある風情を生じさせています(写真提供/株式会社コスモスイニシア)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

来訪者を導くような玄関から長く延びる土間、アールの造作キッチン、濃い茶色で統一された木部など、細部まで心配りがされています(写真提供/株式会社コスモスイニシア)

【わたしのための、パブリックスペース】は、その群を抜くコンセプチュアルな提案力と空間デザインの洗練度によって、高く評価されました。PLAYERS CHOICE AWARD(プレイヤーズチョイス・アワード※)を受賞していることから、同業者からの評価が高いことも特徴です。

施主からの請負物件とは異なり、買取再販物件はリノベ会社の意思によって、これからの住まいの理想や標準を提示するという創造性を発揮しています。そうした新しい提案や挑戦がストック型社会(既存建物を生かす社会)にイノベーションを起こし、リノベ文化を次の段階へと牽引する推進力を担っていると言えるのです。

買取再販物件が多様化することで、リノベのさまざまな可能性を見せてくれることをこれからも期待します。

※プレイヤーズチョイス・アワード:エントリーした事業者が自社以外でベストだと思うリノベ作品を選ぶ2023年に新設された賞で、ある意味もう一つのグランプリ作品ともいえます(他の賞はメディア関係者が審査員となり作品を選ぶ)

●アップサイクル&アタッチメント・リノベーション賞
【時をかける部屋 リノベ再販だからこそ愛着が持てる住まいへ】
株式会社リビタ

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

マルニ木工の家具を置くことで素材や意匠と調和して空間に統一感が生まれ、長く愛着をもって暮らすという意識につながります(写真提供/株式会社リビタ)

【時をかける部屋 リノベ再販だからこそ愛着が持てる住まいへ】は、家具メーカー・マルニ木工と協働し、家具制作時の端材や木粉を壁面アートや取っ手、左官材としてアップサイクル。風合いある既存の造作家具も再配置し、愛着の持てる空間に仕上げて、買取再販物件の魅力をより一層高めています。

【多様化point3】法改正の逆風を乗り越える

2025年4月、建築基準法の審査省略制度、いわゆる「4号特例」の見直しにより、2階建て木造住宅で大規模修繕に該当する場合は、建築確認申請(構造や省エネ関連の図書の提出)が必要となりました。大規模に当たるかは主要構造部分の過半を改修することで決まります。複雑な法令を読みこなし使いこなす実務能力が今まで以上に求められることとなります。

これにより、特に問題とされているのは、大手ハウスメーカーが建てたプレハブ工法のケース。型式適合認定住宅であり、メーカーから設計情報が開示されていないため、リノベするには最も手を出しにくいとされています。

そんな状況下で、高いハードルを飛び越えた作品が登場しました。

●1500万円以上部門 最優秀賞
【ガリバーを解き放て!】
リノクラフト株式会社

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

築37年の住まいが新築のような外観にリフレッシュ(写真提供/リノクラフト株式会社)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

グレーでシックにコーディネートされたLDK。室内も新築のよう!(写真提供/リノクラフト株式会社)

【ガリバーを解き放て!】は、大手ハウスメーカーが37年前に建築した家を刷新した作品。「型式認定住宅の大規模修繕は不可能に近い」と考えるなか、「主要構造部の過半を超えなければ大規模修繕には該当しない」という国が示すガイドラインに突破口を見出したそうです。法令を読み解き、確認機関と丁寧に協議し、大規模に該当しないラインを見極めていったそう。

既存構造の強度を活かし、外壁をカバー工法で仕上げるなどして、省エネ性能をZEH適合レベルまで引き上げています。

大規模な戸建てリノベに高いハードルが課されたような状況となりましたが、「ガイドラインに照らして適切な運用をしていけば恐れることはない」と業界全体に勇気を与える作品となりました。

【多様化point4】コストコントロールを多様な手法で

昨今の建築費高騰により、さまざまな工夫によってコストを抑えつつも快適な空間づくりを実現した作品が高い関心を集めていました。
【市営住宅のあり方を、団地の経験値で解く】【工種を絞って、人気エリアに総額2,000万円でマイホーム】【「棲み分け断熱」という、暮らし方】の3作品を紹介します。

●800万円未満部門 最優秀賞
【市営住宅のあり方を、団地の経験値で解く】
株式会社フロッグハウス

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

対面キッチンを備えたLDK。床に無垢の兵庫県産杉材を敷き詰め、心地良さをアップ(写真提供/株式会社フロッグハウス)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

既存設備をそのまま活用しつつ、各所の壁や建具をネイビーに統一することで若々しい印象に刷新しています(写真提供/株式会社フロッグハウス)

【市営住宅のあり方を、団地の経験値で解く】は、築古の市営住宅を500万円という予算で改修した作品。「低予算であっても外せなかったのは、換気・断熱・防音による住環境の改善」という、長年の団地リノベの豊富な知見から導き出された要点に絞るという判断が際立っています。

●スマートコストダウン・リノベーション賞
【工種を絞って、人気エリアに総額2,000万円でマイホーム】
株式会社はぴりの

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

カットできる部分はカットしつつも、モルタル壁やヘリンボーン床、アールの開口部など高いデザイン性によって物件の魅力をアップさせています(写真提供/株式会社はぴりの)

【工種を絞って、人気エリアに総額2,000万円でマイホーム】は、「ムリのない支払いで、ワクワクする暮らしを実現できる社会」を目指した買取再販のプロジェクト。塗装や造作を減らすなど、工事内容の種類を絞ることでコストカットを実現させました。

●快適ゾーン断熱リノベーション賞
【「棲み分け断熱」という、暮らし方】
Paak design株式会社

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

自社運営のアップサイクルショップで再生された木製建具を用いて、昭和感ある空間を品良く再生(写真提供/Paak design株式会社)

【「棲み分け断熱」という、暮らし方】は、夏暑く、冬は底冷えする築45年の家をフルリノベした作品。高い断熱性を実現するにはコストがかさむため、LDK・浴室・脱衣室のゾーン断熱を選択。あえて無断熱とした和室や廊下では、春や秋などには、自然の風や光を取り入れて心地よい季節感を味わえるそう。

【多様化point5】「おひとりさまリノベ」でゆとりある暮らしを実現

日本人の生き方の多様化を示す一つの事象として、単身者世帯の増加も挙げられます。かつてのように、結婚・出産で家庭を築く人々が大多数であるという社会から、シングルを選んで生きていく人々も増えつつある世の中となり、「おひとりさまリノベ」も増えているといいます。

住み手のライフスタイルに沿った家につくりかえることもリノベの使命。今回はそうした事例が2つも受賞し、時代の潮流を感じさせます。【地方空き家、これからのかたち】【猫と私の『Purrfect Meow-zy』】の2つです。

●シングルマキシム・リノベーション賞
【地方空き家、これからのかたち】
株式会社アルフレッシュ

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

三重県に立つ戸建住宅をフルリノベ。98.95平米、4LDKの空間を2LDKに変更。ヴィンテージ好きなシングル女性である施主の好みが詰まった内装に(写真提供/株式会社アルフレッシュ)

【地方空き家、これからのかたち】は、「戸建ておひとりさまリノベ」。地方では中古の戸建住宅が比較的手ごろに入手できるため、ゆとりのある戸建てを購入してリノベし、自分らしい暮らしを叶えるという住まい方を示しています。

増え続ける空き家が問題化されて久しいですが、「単身世帯×空き家活用」という手法が課題解決の一助となる可能性が広がります。

●シングル+1ハウス・リノベーション賞
【猫と私の『Purrfect Meow-zy』】
株式会社しわく堂

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

猫を愛でるための棚。ガラスで仕切られ、奥の玄関へも光が届きます。帰宅時に猫たちの気配も感じさせてくれるプランです(写真提供/株式会社しわく堂)

【猫と私の『Purrfect Meow-zy』】も「戸建ておひとりさまリノベ」の一つ。ただしこちらは、新築の建売住宅を部分(LDK、洗面台、キャットコーナー)リノベした作品。

キャットウォークやキャットステップなど、猫と楽しく暮らすための仕掛けを各所に配し、暮らしの満足度を高めています。

【ここも注目!】リノベが賃貸の可能性を高める

賃貸物件の魅力をリノベーションによって高めて、入居率や街の魅力を増していきたいと考える賃貸オーナーの思いや、廃棄物を最小限に抑えるサーキュラーエコノミー(循環型経済)をフックに、賃貸ビジネスを成立させたいという思いで形づくられた作品も注目を集めました。【ふつうの賃貸】【賃貸ビジネスにおけるサーキュラーエコノミーへの取り組み】の2作品です。

●新スタンダード提案リノベーション賞
【ふつうの賃貸】
株式会社NENGO

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

省エネによる環境配慮、家賃+光熱費のトータルコストで入居先を比較することになる時代を考慮し、断熱性を高め、間取りを3LDKから1LDKに変えた賃貸住宅。元の1.5倍の家賃になるもすぐに決まった入居者が発した「心に、光と風が満ちます」という言葉が住まいの魅力を物語っています(写真提供/株式会社NENGO)

●サーキュラー賃貸リノベーション賞
【賃貸ビジネスにおけるサーキュラーエコノミーへの取り組み】
株式会社アトリウム

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

自社のデッドストックやメーカーのアウトレット建材、端材マーケットでの入手品などを活用した賃貸ビジネスを成立させたいという挑戦的プロジェクト。廃棄物や汚染を生み出さず、資源や資産の価値を高めています
(写真提供/株式会社アトリウム)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

継ぎはぎ感や古臭さというネガティブな印象が生じないよう、廃材それぞれの風合いや色彩構成を意識してコーディネート。募集から2週間で入居者が決まったそうです(写真提供/株式会社アトリウム)

【ここも注目!】際立つ個性!究極のオンリーワン!

施主の趣味や嗜好を取り入れた空間、家族や暮らしの変化に細かく対応する空間など、リノベーションで叶えた世界に一つだけの住まいも注目されました。【異彩と異才】【4D設計で実現した「子どもと成長する家」】【となりあう囲い】【心、踊るいえ。~退屈を、リノベーションする~】の4作品を紹介します。

●オンリーワンクリエイティブ・リノベーション賞
【異彩と異才】
株式会社grooveagent

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

「インテリアを楽しむための空間」という漫画家である施主の希望を叶えたオンリーワン空間。漫画の変形ゴマになぞらえてあえて不整形なプランを提案。個性あふれる空間デザインにポップな家具が加わり、遊び心あふれるしつらえに。施主にとって「自己肯定感が爆上がりするパワースポット」になったそうです(写真提供/株式会社grooveagent)

●未来プレゼンテーション賞
【4D設計で実現した「子どもと成長する家」】
株式会社はぴりの

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

グレーの色使いが目を惹く空間。子育て初期には1LDKとして、子どもの成長に合わせて2LDK、3LDKとして使用できる設計。「縦、横、高さ」の3D設計に「時間軸」を含めた4D設計を叶えています(写真提供/株式会社はぴりの)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

2024年、2030年、2035年、2041年と、どのタイミングで何がどう変わるかを描き、家族や暮らしの変化を視覚的に間取りへ落とし込んだプレゼンテーションが秀逸と高評価でした(写真提供/株式会社はぴりの)

●弓の協奏リノベーション賞
【となりあう囲い】
株式会社シンプルハウス

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

光や風が行き渡るよう、腰壁、柱や梁でゆるく仕切られたリビング。和の要素を入れたいという施主の希望で、檜にこだわっているそうです(写真提供/シンプルハウス)

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マンションに「弓道の練習場所」と「バイオリン演奏ができる防音室」があるというインパクトと、工事費960万円という低コストによって審査中に話題となりました(写真提供/シンプルハウス)

●今を遊ぶリノベーション賞
【心、踊るいえ。~退屈を、リノベーションする~】
株式会社sumarch

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

子どもの有り余るエネルギーを思いっきり発散させたいという思いを形に。ハシゴ、うんてい、ロフトのあるリビングや2階の子ども部屋などを縦横無尽に駆け回るワクワクが詰まった家に変身しました(写真提供/株式会社sumarch)

【ここも注目!】人が集まりたくなる場所をリノベが醸成

画一的で無味乾燥気味な場所を人が集まりたくなる場所へと変貌させた作品も見られました。
【ワークエンゲージメントと採用を変えた工場オフィスの大転換】【センシュアスな街づくり~こころをうたう~】の2作品です。

●ワークエンゲージメント・リノベーション賞
【ワークエンゲージメントと採用を変えた工場オフィスの大転換】
株式会社シンプルハウス

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

木質感を基調にリラックス感のあるワークスペース。精密加工の老舗メーカーの工場然としたオフィスから、人が集まりたくなる職場に転換(真提供/株式会社シンプルハウス)

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

キッチンのあるラウンジのほか、集中できるミーティングルーム、筋トレマシンやビリヤード台を備えたアクティブエリアなどが出現し、社員の創造性と交流を生んでいます。採用活動にも効果が生じたそう(写真提供/株式会社シンプルハウス)


●オープンアクティビティ・リノベーション賞
【センシュアスな街づくり~こころをうたう~】
株式会社エコラ

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

長門湯本温泉のシンボルであった老舗旅館。温泉浴場をあえてなくし、外にあるリニューアルされた立ち寄り湯や、そぞろ歩きを楽しめる川沿いへと誘う仕掛けに。温泉街の動線を大胆に再構築した作品です(写真提供/株式会社エコラ)

【ここも注目!】美しく仕立てた魅惑のリノベ空間

ほかにも既存の概念にとらわれない自由な発想で行われた作品も。

●ヴィンテージアップデート・リノベーション賞
【健康な建築】
株式会社NENGO

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

1970年竣工のモダニズム建築の傑作である集合住宅の一室の住宅機能と空間を、本来の設計コンセプトをリスペクトしつつアップデート。断熱改修を施し、照明、空調、浴室設備をスマートハウス化。現代の暮らしに寄り添うリノベーションです(写真提供/株式会社NENGO)

●オートクチュール・トランジション賞
【「衣」の美で、「住」の美を仕立てる】
G-FLAT株式会社

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

服を仕立てる職から、空間を仕立てるリノベーションコーディネーターへとチェンジした施主が仕上げた、心地よく美しい景色(写真提供/G-FLAT株式会社)

多様化の一途をたどるリノベーションは住宅分野の「センターピン」に

今、首都圏では家の購入を考える際に、新築マンションより中古マンションを最初に検討するという人が多いそうです。それは建築費高騰による新築物件価格の高騰や供給減少という要因が大きいためと言われていますが、ストック型社会(既存建物を生かす社会)、サーキュラーエコノミー(循環型経済)といった、持続可能な循環型社会への意識が当たり前のものとなったことも大きな原因でしょう。

中古を買ってリノベして暮らすということが一般的となった今、リノベーションは住宅分野における「センターピン」(最重要ポイント、核心)となってきていることを、リノベーション・オブ・ザ・イヤーの作品からも実感できます。

あらゆる時代のあらゆるタイプの建物をさまざまな目的のもと、多様なリノベの手法で生まれ変わらせた作品たち。住み手やつくり手の考えや価値観も多様化し、それぞれの作品に十人十色の物語も感じ取れます。リノベの多様化がより深化しているのが見て取れるわけです。

そんな究極の一点ものであるリノベ作品ですが、次回のリノベーション・オブ・ザ・イヤー2026では、初となるオープン開催を予定しているとのこと。つまり、リノベーション協議会に属していないリノベ会社や事業者も参加可能になるため、さらなるリノベの多彩さ・充実ぶりを見られることになります。どんな新たなオンリーワン作品が登場するのか、今から楽しみです。

【リノベ最前線】「DIY・コスト対策・多様性」が最旬トレンド。技ありリノベ事例が満載! 独身リノベ、猫の家など|リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025レポート

赤じゅうたんに正装が決まっている受賞者のみなさん。2026年も素晴らしい作品を期待しています!(写真提供/リノベーション協議会)

●取材協力
リノベーション協議会「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」

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