リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9000人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2026」を発表。今回は、得点ジャンプアップ率3位の「センター北」に注目をしていきます。
南北合わせて商業施設が12施設 充実度はターミナル駅並み
「住みたい街(駅)」を回答してもらい、その得点合計値をランキング化する「住みたい街ランキング」。昨年の得点から今年の得点が大きく増えた街をランキングしたものがジャンプアップランキングです。その中で今年ジャンプアップした街の3位にランクインしたのが「センター北」。1位「高輪ゲートウェイ」2位「飯田橋」など、街中で大きな開発があるエリアとは異なり、神奈川・横浜で古くから発展しているベッドタウンに注目が集まりました。
「2026年順位」は今回のランキング対象となった全231駅の中での偏差値順位
前回の得点96点から、今年は151点となり大幅アップです。ランキングの順位で見ても2025年は145位とランキング圏外にいるところから、2026年は100位以内へのランクインと目覚ましい飛躍を遂げています。
特に評価されているポイントは、施設の充実ぶりです。買い物やレジャー施設、文化施設などが豊富なのはこの街で全てが完結できるようにと整えられたニュータウンゆえでしょう。実際にその魅力は回答者の声にも表れており「魅力的な大規模商業施設がある」(79.1%)「魅力的な文化・娯楽施設が充実している(映画館、劇場、美術館、博物館など)」(69.9%)「駅周辺に生活に必要な施設が揃っており便利だ」(69.9%)などという声が街の魅力項目として挙がっていました。
「センター北」街の魅力項目TOP10。
「センター北」は、横浜市営地下鉄の駅であり、決して大きな駅ではありません。しかし隣接する「センター南」駅と2駅の周辺になんと商業施設が12ヶ所も存在しています。百貨店・郊外型ショッピングセンター・スーパーマーケットを核とした駅ビルなどあらゆるタイプの施設があり、ファストファッション・日用雑貨店・家具店・子供用品などの店舗がそろっています。スーパーもディスカウント系から高級スーパーまで幅広い価格帯の店舗があるため、住民もその日の気分やお財布事情に合わせてチョイスが可能なことが嬉しいですね。
歩いて回ることができる距離にショッピングセンターが多数点在している
駅前広場からは観覧車の姿が見える(画像提供 /PIXTA)
休日のレジャーにも困りません。子ども向けのゲームセンター・屋内遊び場に加えて、大人が楽しめる映画館やおしゃれなカフェ、レストランも豊富。駅前広場では土日に様々なイベントが催されていていつも賑わっています。
「センター北」はニュータウンとしての認知が高いことから30~40代などファミリー層の多い世代からの評価が高い街でした。ところが今年になってシングル層や若い世代からの関心が高まっています。性年代別では男性20代、40代、女性30代、ライフステージ別ではシングル男性・女性世帯、夫婦のみ 世帯(共働き)の得票シェアが伸びていることからも、子育てファミリー層以外から評価がアップしていることがわかります。
「センター北」性年代別・ライフステージ別投票者数シェアの推移
横浜市あげてのベッドタウン・センター北
ここで「センター北」の歴史を少しふり返っていきます。「センター北」のある港北ニュータウンは、横浜市内中心部から北北西約12km、都心から南西25kmに位置しており、約2,530haの区域において開発されたエリアです。
「乱開発の防止」「都市農業の確立」「住民参加のまちづくり」 「多機能複合的なまちづくり」を基本理念とし、1965年2月に市の六大事業の一つとして発表。
センター北はターミナル駅の横浜や新横浜へのアクセスが良く、新幹線を利用して遠方に出かけることが多い人にも暮らしやすい街である
当初「計画人口30万人の理想的な街の実現を目指す」目標が掲げられていましたが、2025年末時点の都筑区の人口は約21万人。まだ成長の余地がありそうです。
計画において特徴があるのは「グリーンマトリックスシステム」です。基本方針をもとに、地区内の緑道を骨格として、公園や民有地の斜面樹林などを連結させたオープンスペースを定めており、総面積約90ヘクタールもの貴重な緑の資源を大切に保存しています。公園が多く点在しているのはこうした理由からなのです。
高架下の「みなきたウオーク」がニュータウンの南北エリアをつなぎ回遊可能にしている(画像提供 /PIXTA)
東京都市大学横浜キャンパス近くの緑道「くさぶえのみち」(画像提供 /PIXTA)
実際に街の魅力項目にも「防犯対策がしっかりしており治安が良い」「子育て環境が充実している」 「住宅街が整然としていて美しい」など、心地よい街並みについて評価されていることがわかります。
緑道と公園を連続させることで緑豊かなまち並みを形成している。健康づくりコースマップとして散歩コースを提案している(出典/横浜市都筑土木事務所)
企業×自治体が新しい流れを生み出している
一方住みやすい街の魅力として「落ち着いて仕事のできる施設がある」など、ワーカーにとっても「センター北」が過ごしやすい街に変化していると評価をされています。その背景として、外資系企業の本社移転や都筑区の区民文化センターが新しくオープンしたことが影響しているのです。
移転後のボッシュ本社。市民が交流できるスペースを多分に設けている(画像提供/ボッシュ)
2024年、ドイツ系自動車機器メーカーのボッシュ社が本社機能を「センター北」駅付近に移転しました。同社は元々1990年から都筑区に研究開発所を構えていましたが、より社の結束力を強めるために本社機能を統合したのです。
ボッシュのように都心部から神奈川県へと本社機能を移転している企業が昨今増加しています。下記のデータは帝国データバンクが提供する首都圏本社転入出数ですが、ダントツで神奈川県が数字を伸ばしていることがわかります。首都圏だけの比較のみにとどまらず転入超過数は全国1位。実際に横浜市としても企業誘致に力を入れており、ボッシュもその誘致活動の一環でもあったそうで、今後もこの傾向が続いていきそうです。
都道府県別で見た首都圏の本社転入出数、直近10年の累計数。神奈川県は転入出数が首都圏の中で最も多い(出典/帝国データバンクのデータをもとにSUUMOで作成)
そのボッシュですが、自社の活動のみにとどまらず、社会・地域の人たちに還元したいという思いから地域や公共との連携を強く意識しています。
2018年に「横浜市都筑区における区民文化センター等整備予定地活用事業」が立ち上がり、横浜市からボッシュ社が事業者として選定されました。これを起点に公民連携プロジェクトが始まったのです。新本社とともに建設された都筑区民文化センターは「ボッシュホール」としてネーミングライツを取得。
ボッシュ フュージョンプロジェクト推進室の渡辺氏は「本社を移転するにあたっては、官民連携をすることをマストと考えていました。というのも企業スピリットとして“社会に還元していきたい”という思いがあり、せっかくの機会、地域の人たちと連携していきたいと考えていたからです。
ボッシュ・グループ初の公民連携プロジェクトとして一体開発されたボッシュ本社とボッシュ ホール(都筑区民文化センター)(画像提供/ボッシュ)
本社前には区民文化センターの他、全天候型広場「Platz(プラッツ)」が誕生。ここでは企業イベントや親子で楽しめる民間のイベントなどが開催されています。そのおかげで多くの人が訪れてくれるように。さらにボッシュの本社1階には、同社が運営するカフェを渋谷から移転。メニューもファミリー層が多い地域の住民を意識して一新し、平日はワーカーと近所で暮らす親子が、土日には家族連れが来店し常ににぎわっています。
「カフェは地域の方々に利用いただいています。社のスペースをオープンにすることで、訪れる方々に私たちのことを知ってもらえることは嬉しいです。一方、私たち社員も利用しています。土日に家族連れでくることもありますね。社員の職場の様子をご家族に見て体感してもらえるという点も、プライベートと仕事が交錯するという点で良かったのではないかと思います」と渡辺さんは地域と企業の結びつきの良さについて話してくれました。
都筑区民文化センター「ボッシュ ホール」やボッシュ本社の1階に併設するカフェ、全天候型広場のあるエリア「Bosch Forum Tsuzuki(ボッシュ フォーラム つづき)」(画像提供/ボッシュ)
ボッシュ本社の1階に併設するカフェ。
地元団体との連携で一層住みやすい街に
センター北エリアでは、これまでも活発に地域活動が展開されてきました。その一つとして挙げられるのがドイツクリスマスマーケットin都筑」です。ドイツにゆかりのある都筑区には東京横浜独逸学園があり、またボッシュもドイツ系企業です。このドイツとのつながりをより知ってもらいたいと、実行委員会が中心となり毎年センター北駅前広場でマーケットを開催してきました。2025年には都筑区とボッシュが共同で運営するエリア「ボッシュフォーラムつづき」をマーケットの第二会場として活用開始。駅周辺を客が回遊する流れが生まれたそう。さらに広場では市民らによるマルシェ、ボッシュ本社のエントランスでもワークショップなどが開催されて、一体感を高めていっています。
2025年には全天候型広場「Platz(プラッツ)」にてスーパーカーの展示イベントが開催された(画像提供/ボッシュ)
「Platz(プラッツ)」にて開催されたクリスマスマーケット。周辺エリアを回遊する住民がたくさんいた(画像提供/ボッシュ)
市民主導のマルシェの存在も象徴的です。クリスマスマーケットに参画していた「みなきたマルシェ」は、センター北・南を舞台に毎月1回開催されています。モールは多数あるけれど商店街のないニュータウン。
出店するのは地元の企業や個人事業主が中心。フードショップやハンドメイド作品を売るショップなどが20店舗ほどならびます。地産地消の野菜や手作りお菓子、雑貨が人気で出店者を目がけてリピーターが来店するほど。
駅前商業施設やイベントなどと共同開催することもあり、街に大きな人の流れを生み出しています。こうした市民の活動が活発になったはじまりは、地域の女性たちが「自分たちの仕事を生み出そう」と立ち上がったことがきっかけでした。
マルシェを運営する「みなきたマルシェ実行委員会」の一員である一般社団法人「モヤキラ」がその主体であり、ライフステージの変化などでモヤモヤを抱える方に寄り添い自分らしく輝ける居場所づくりを支援しています。現在は年代や男女限らずに地域で起業したい人、店を持ちたい人を支援しておりその一環としてコミュニティカフェ「モヤキラCAFE」の運営や、ワークスペースの運営、みなきたマルシェの運営の一端を担っています。
とくにマルシェの存在は街への影響が大きく、実行委員会に民間企業も加わってくるようになりました。住民の力が街の流れを変えたといっても良いのではないでしょうか。
ファミリー層はもちろん、ワーカーや他エリアからも訪れたくなる公共施設が整ってきたセンター北。単なる買い物やレジャーとしての利便性だけではなく、人との交流機会や拠点が増えていること、働きやすいスポットが増えていることで、今一度暮らす街として注目してみても良いのではないでしょうか。
センター北駅から続く「みなきたマルシェ」。通りが人でうめつくされるほどのにぎわい(画像提供/一般社団法人モヤキラ)
毎月1回、季節に合わせたイベントも実施。子どもたちに大人気(画像提供/一般社団法人モヤキラ)
●取材協力
・横浜市経済局
・横浜市都筑区
・帝国データバンク
・ボッシュ株式会社
・みなきたマルシェ実行委員会

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
