●物価高騰が続く中、スシローが手掛ける寿司居酒屋『杉玉』が人気との噂。実食してその味わいと魅力をチェック!
光熱費も日用品も食品も、何もかもが急激に値上がり中。
ところが、そんな逆境のなか、回転寿司で有名な『スシロー』が手掛ける寿司居酒屋『鮨 肴酒 杉玉』が全国各地に続々と出店しており、大人気との噂。コンセプトは、「スシローで培われた旨い鮨と肴で、リーズナブルにゆっくり語り合いながらお酒を楽しんで欲しい」というもの。
回っていない寿司が食べられるうえ、しかも値段はリーズナブル。とくれば、この物価高騰時代に寿司を楽しむには最高の店なのでは? これまで一度も行ったことがなかった筆者。そこでさっそく『杉玉 高円寺店』に行ってその実力を確かめてみることにしました。
杉玉は、安い、旨いだけでなかった!

カウンター席に案内され、さっそくメニューの最初のページを開きます。写真付きで料理がたくさん載っていますが、そんなことより先に値段を確認。するとほとんどの料理が359円、高くても479円。嬉しいですね~。
筆者は普通の居酒屋でも500円以下のメニューを発見すると嬉しくなるタイプですが、ここはそれを軽々と越えてきています。食べる前から「イイね!」を連発したくなるところですが…肝心なのは味です。

メニューに赤字で記されているメニューがオススメのようです。

登場したお料理は、少し風変わりでした。とくに「杉玉ポテトサラダ」は、テニスボール大のガチャガチャのカプセルのような丸いプラケースの中に入って登場。店のスタッフさんが食べ方を教えてくれます。まずカプセルボールを開けて、下の皿にコロンと載せ、スプーンで崩してよくかきまぜて食すべし、とのこと。早速いただきます。

ポテサラにはあおさと干しエビがまぶされていて、中にとろんとした卵の黄身、そしてガリも入っています。食べてみると、けっこう摩訶不思議な味。
干しエビの香ばしさ、そしてなめらかなポテトと黄身のまろやかな味。マヨネーズは控えめ。

続いて「炙りアン肝ポン酢」。これも居酒屋でよく見かけるあん肝とは違います。炙ってあるので色が濃く、どこかボテッとしています。そこにおしゃれなポン酢のジュレとねぎが添えられています。矢も盾もたまらず、ここで日本酒をオーダーします。

あん肝は舌の上でなめらかにとろけるクリーミーな舌触り。そこにポン酢のすっぱいジュレがよく合う。臭みもなし。日本酒との相性は言わずもがな。500円以下の料理とは思えない美味しさです。

そして〆鯖。鮨屋の腕の良し悪しがわかる寿司ネタの代表。でも、さすがスシロー。酸味もまろやか、サバもしっとり。旨味も深い。カイワレやネギなどの薬味と一緒にサラダのように食べられるのもイイ。このクオリティで5切れもあって359円はおトクな気がします。
3品食べたところで、お値段以上に美味しいことはわかりました。そこで今度は、雲丹醤油で食べるという鮨屋の「シュウマイ」というメニューも注文。

どこがシュウマイなのか、というビジュアルですよね。見た目は握り寿司のようです。肉焼売をシャリに見立て、その上に海老、イカ、うなぎが載っています。
ただ、ここに来た目的は寿司です。寿司を注文しましょう!
鮨のクオリティはいかに?

再びメニューを開き、寿司のページを見ると、かなり多彩なネタが揃っており、創作寿司もあります。100円寿司とまではいきませんが、ここでも359円ネタが盛りだくさん。安心ですね。
あれもこれもと目移りしますが、大トロや鮪、ハマチなどを8貫盛り合わせた「上玉」(1199円)をベースに、「雲丹といくらのこぼれ軍艦」(359円)や「穴子一本」(479円)などを追加注文してみました。

盛り合わせの構成はウニ、イクラ、穴子、大トロ、マグロ、ハマチ、イカ、海老、ツブ貝、イワシという布陣。黒酢やバルサミコ酢などをブレンドしているというシャリは、お酒に合うように配合しているんだとか。
「雲丹といくらのこぼれ軍艦」を口に放り込めば、魚介のツブがシャリとともにホロホロとほどけ、とろりとはじけるイクラ、濃厚なウニの旨味。うーん、美味しい!
高級な寿司屋で値段を気にして緊張しながら食べるより、こんなふうに明朗会計でウニ・イクラをたっぷり食べられるのは最高。いわしだって身が太っていて、脂の甘みがしっかり生きています。
まとめ

というわけで、肴から〆の鮨にいたるまで食べて飲んで、お会計は1人4000円ちょっと。今回は初訪店だったので、ついおつまみを頼みすぎてしまいましたが、しっかり絞ればかなりお安くいけると思います。
おつまみも充実していますが、やっぱりここで美味しいのはお寿司なので、お酒が好きな人も、つまみはそこそこにして、サクッと握りを食べるのがオススメ。ここは、物価高騰の地獄の中で、ちょっとしたオアシス的なお店かもしれません。
(撮影・文◎土原亜子)