●1929年に札幌で創業した洋菓子店『ニシムラ』。代表商品の「ユカたん」は発売40年以上が経つが、年間20万個を売り上げる人気商品。

道民に愛され続ける理由を調査してみた。

 1929年に札幌で誕生した洋菓子店『ニシムラ』。創業者はクリスチャンの西村久蔵氏。戦後の貧しかった時代にパンやケーキなどの製菓を製造し、「すべての札幌の子どもたちにシュークリームを」と唱え、生涯に渡って製菓業に勤しみました。

 人に尽くし、慈愛に満ちた人生は、作家の三浦綾子氏の著書『愛の鬼才 西村久蔵の歩んだ道』でも垣間見ることができます。

 そんな北海道を代表する偉人が率いた『ニシムラ』は2003年に倒産。現在は、意志を継いだ『合同会社どさんこエナジーニシムラファミリー事業部』が当時の従業員らとともに商品を作り続けています。

年間20万個売れる! 札幌市民に愛される北海道銘菓「ユカたん」とは? お取り寄せしてみた!
「ユカたん」10個入り2220円(税込)

 そんな同社を代表する銘菓が、「ユカたん」です。年間20万個を売り上げる人気商品。原材料の約94%を占める鶏卵・牛乳・砂糖・小麦粉・クリームは全て、北海道産のものを使用したこだわりの一品です。40年以上に渡り販売していることから、親子三世代で親しまれています。

「ユカたん」という音の響きで、アイヌ語と想像した人も少なくないでしょう。

実は開発当時に働いていた従業員の愛称をそのまま採用したそうで、親しみやすいネーミングも人気の秘訣のようです。

 お取り寄せではクール便でのお届け。6時間以上冷蔵庫で解凍すると、クリームがトロトロで、しっかり冷えたベストな状態で食べられます。アイスカステラ風に食べるなら、解凍4時間くらいでOKのようです。

北海道銘菓「ユカたん」はクリームがたっぷり詰まった懐かしの味

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 見た目は円形の大きなマドレーヌのようですが、シフォン生地でふわっと柔らかいです。少々ぼそっとした昔懐かしい生地ですが、中に詰まったやさしい味わいのカスタードクリームと一緒に食べれば、なんとも幸福感で満たされます。

 昔ながらの製法を守り、ほぼ職人が1つ1つ丁寧に手作りしているそうです。この時代を感じる素朴さは、機械では決して出せない味。生地、クリームどれをとっても非常に丁寧に作られているのが伝わりました。

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 子どもの手に持つと余計に大きく感じますね。クリームがたぷたぷに入っていて、大人も丸1個食べたら大満足のボリュームです。

 根本にある子どもたちのためにという理念のゆえか、1個のボリュームが大きく、クリームも惜しみなく詰まっています。さらに小さな子どもが食べても安心できる原材料へのこだわりも魅力ですね。

 たった一つのお菓子ですが、どんな思いで作られ、どのような歴史をたどってきたのか、想いを馳せながら食したくなる名品です。

調査結果

年間20万個売れる! 札幌市民に愛される北海道銘菓「ユカたん」とは? お取り寄せしてみた!
[食楽web]

 原材料にこだわった「ユカたん」は三世代に渡って愛されています。創業者の歴史的なストーリーとともに味わいたくなる北海道を代表する銘菓です。ぜひ、お取り寄せしてみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●DATA

ニシムラファミリー

https://www.nishimurafamily.jp/

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