●昔に比べ、かなりレベルアップしているコンビニのカツサンド。どこのが一番美味しいのか食べ比べてみた。
突然ですが、カツサンドは好きですか? 筆者はカツサンドに目がなく、美味しいカツサンドが売っていると聞けば、遠方でも買いに行きます。しかし、最近はコンビニで売っているカツサンドもかなり優秀だと思っています。
というのも先日、ファミリーマートに新登場した「三元豚の厚切りロースカツサンド」(398円)を食べてみて、そのレベルの高さに驚いたからです。パンも肉もしっとり。濃厚な甘口ソースが程よく絡み、少量ながらしっとりしたキャベツの千切りも入っている。かぶりつくと、ふんわりとした全体のバランスも超優秀。これは専門店にも負けない味だと確信した次第です。

よくよく考えてみれば、筆者はかつてローソンの『まちかど厨房』(店内手作り)の「三元豚の厚切りロースカツサンド」(484円)にも相当ハマった記憶があります。コンビニのカツサンドは侮れないのです。
そして「どうも、今のコンビニカツサンドはかなりレベルアップしているんでは?」と気になり始めたわけです。というわけで、さっそく大手3社(ファミリーマート、ローソン、セブンイレブン)のカツサンドを購入してきて食べ比べてみることにしました。
似て非なるコンビニカツサンドのウマさに感激

まずは、3社のカツサンドのスペックは下記の通り。ちなみにローソンは、『まちかど厨房』がある店舗で購入したため2種類あります。
・ファミリーマート
「三元豚の厚切りロースカツサンド」398円/434kcal
・ローソン
「三元豚の厚切りロースカツサンド」(まちかど厨房)484円/648kcal
「ひれかつ」430円/396kcal
・セブンイレブン
「三元豚とんかつ」432円/645kcal
ファミマの「三元豚の厚切りロースカツサンド」は何がウマい?

食べ比べを始める前に、今回3つのカツサンドの名称に付いている「三元豚」について説明しておきましょう。
三元豚とは、実はブランド豚や銘柄ではなく、3つの品種をかけわせた豚のこと。3種類をかけあわせることで、それぞれの品種の豚の長所を生かしたバランスのよい良質な豚肉に。そのうえ安定供給もできて、リーズナブルな価格で提供できるのが特徴です。
というわけで、まずはファミマのロースカツサンドから実食。最初に書いたように、このサンドイッチ、とにかく全体のしっとり感が秀逸なんです。

三角形の食パンは、発酵種でしっとりし仕上げたふわふわの食パンです。パンの耳はナシ。そして厚切りロースカツの厚さは約2.5cm。衣には濃厚&甘めのソースが染みてしっとり。パンとカツの間には、マヨネーズとマスタードで和えたキャベツの千切りが挟まっています。
主役である三元豚のロースカツは、しっとりしていて肉の旨味もしっかり感じられてこれまた抜かりなし。
ローソンのカツサンドはガッツリ系と上品系の2種類

続いて、ローソンのカツサンド2種類を紹介します。まずは、店内手作りの『まちかど厨房』が併設されるローソンで売っている「三元豚の厚切りロースカツサンド」(484円)。これはかなりガッツリ系タイプ。
こちらも豚肉は三元豚を使用。ロースカツの厚さは約3cm。さきほどのファミマのものと比較して、かなりボリューミーに感じます。その理由は、ファミマに比べて肉が0.5cm厚いこと、そして食パンが耳付き、かつ千切りキャベツがやや多いせいだと思われます。

そしてこのカツサンドの最大のポイントは、やっぱり店内手作りならではのできたて感があるということ。揚げたときの衣のザクッと感が部分的に残っていたり、また、さらにソースもフレッシュで、じわりと垂れてきそうです。
主役の三元豚のロースカツは、しっかりとした歯ごたえも残しつつ、噛むとやわらか。そしてソースも、酸味と甘味のバランスが最高。食パンの耳はやや硬めですが、そのぶん、噛みごたえと食べごたえを演出しています。
さて、続いて同じくローソンのもう1つのカツサンド「ひれかつ」を紹介します。

こちらはその名のごとく、肉がロースカツではなくヒレカツのサンドです。ヒレは、ロースよりちょっとお値段お高めというイメージがあると思いますが、サンドイッチのカットが小ぶりで、パッケージも含めてどことなく上品な雰囲気が漂っています。
ちなみにヒレカツの厚みは約2.5cm。食べてみると、繊細な繊維の食感を残しつつ、こちらもとってもソフト。肉の旨味もしっかり感じられるジューシーさです。ちなみに、食パンは耳なし。キャベツも入っていません。ソースは甘口ながらスッキリした味ですが、そこに“からし”が効いていて、これが大人の味わいで◎。一口でパクリと食べられて、美味しい余韻が残る贅沢なカツサンドでした。
セブンはホットサンドタイプで勝負

最後に食べたのは、セブンイレブンの「三元豚とんかつ」。こちらは、これまで紹介してきたカツサンドとちょっと趣が違います。まず、パンが耳付きでトーストされているのが最大のポイント。
そのまま食べると、パンも食パンの耳もとんかつの肉もすべてがハード。ジューシーさはほとんどなく、パサパサしていて口の中の水分がすべて持っていかれる感じがします。さらに辛子の味が妙に口に残って、後味も微妙。
しかし、ここで「これ美味しくない」などと言うのは早計。パッケージに「トーストサンド」、「温めて美味しい」と書いてあるとおり、このカツサンドは温めて食べることを前提にしたタイプなんです。

そこでレンジで1分温めてみると…。まったく食感が変わりました。まず食パンはしっとりして香ばしくなり、とんかつも衣の肉もフワッとやわらかくなりました。そして何より肉々しくて、肉の旨味を濃く感じられるように。
冷たい時は気になった辛子も、じんわり効いてきて甘口ソースとのバランスが非常に良くなります。筆者はこれまで、温かいカツサンドをあまり食べたことがなかったので、これはなかなか新鮮な味わいでした。
まとめ

というわけで、4品を食べ比べてみたわけですが、結論としては「やっぱり今のコンビニのカツサンドはかなりレベルアップしている」ということが改めてよ~くわかりました。
ちなみに、筆者が一番好きだったのは、冒頭でも書いたファミマの「三元豚の厚切りロースカツサンド」でした。しっとりふんわりしていて全体のバランスが素晴らしいです。みなさんも、ぜひ食べ比べてみて、自分好みのカツサンドを探してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)