●中津からあげの名店『元祖中津からあげ もり山』は、大分県中津市の本店も東京にある支店もテイクアウト専門店。しかし東京・湯島にイートインができる店舗があるとの噂。
『元祖中津からあげ もり山』。熱烈なからあげ愛好家ならば、この店名を知らない人はいないのではないでしょうか。からあげの聖地と呼ばれる大分県中津市に本店を置く、名店中の名店。特に塩からあげが有名なお店です。
中津のからあげ専門店の特徴として、そのほとんどがテイクアウト専門であることが挙げられます。ご多分に漏れず、『もり山』も同様にテイクアウト専門。しかし2022年4月、とうとう昼も夜もイートインでからあげを楽しめるお店が東京・湯島に誕生しました。
ちなみに『もり山』のからあげは筆者も大好きで、もう何度も食べていますが、上記の理由から、お店で揚げたての絶品からあげを注ぎたてのビールと一緒にいただいた経験はナシ。これはきっと至福のひとときになるハズ…。カラアゲニストとして、この幸福感を味わってみるべくお店へ突撃してきました。
うっとりするほど上品な旨さのからあげに感激

お店は湯島天神大鳥居のすぐ近く、春日通りを挟んだ向かい側にあります。『もり山』といえば“塩からあげ”が名物。

まずは「もも」が登場です。期待通りの、安定感ある抜群の美味しさ。カリカリ系食感の衣にプリッとした歯触りのソフトな肉。ひと口食べれば肉の旨みが口いっぱいに広がります。これが中津からあげの特徴のひとつ。
肉本来の美味しさを損なわない味付けで、それでいて臭みなどはまったく感じません。上品に拡散される美味しさに思わずうっとり。それをビールで流し込む。これこれ! テイクアウト専門だったから、これが今まではできなかったんだよなー。

ビールの炭酸と苦味で舌がリセットされて、また新鮮な味覚で次のからあげの一口を楽しむことができます。う~ん、からあげにはビールやハイボールなど、泡がやっぱり相性バツグンです。
続いて「むね」を。ちなみに大分の中津市では、古くからムネ肉からあげが大人気です。

こちらも肉の旨みがハンパない。2~3回咀嚼しただけで旨みが炸裂する感じです。ムネ肉にありがちなパサつきや固さは一切なし。歯に対してかすかに抵抗するような適度な弾力がまたイイ。
歯が肉にめり込むたびに、旨みがしぼり出されてくるよう。噛めば噛むほどウマさのレベルがアップしていきます。これはヘタなモモ肉からあげよりもはるかにウマい! さすがもり山、王者の貫禄を感じるからあげです。
無限にビールが欲しくなる砂ずりからあげ

ここで、さらに何かおつまみを…と「砂ずり」(1本180円)も追加。砂肝のことですね。串に6個刺さった小ぶりの砂ずり、コリッとした歯触りと、キュッと歯を締め付ける、跳ねるような弾力。こちらの旨みも強烈で、あっという間に口いっぱいに拡散されていきます。これはもうビールがすすむレベルじゃない。無限にビールが欲しくなる美味しさです。

ビールの援護もあって、モモとムネを各5個、砂ずり串を2本をあっという間に平らげてしまった筆者。からあげに集中し過ぎて、ほかのおつまみに手を伸ばす暇もありませんでしたが、メニューには「クリームチーズ醤油漬け」「肉みそピーマン」のほか「中華そば」や「白湯ラーメン」まであって、〆の一杯にも困りません。次回はディナータイムにじっくり腰を据えて、からあげ以外の料理も楽しみたいと思います。
●SHOP INFO

店名:元祖中津からあげ もり山 湯島店
住:東京都文京区湯島4-5-1
TEL:03-6801-5499
営:11:30~14:00
17:00~21:30
休:日曜
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。